大仏さまの世界。

お盆。
仕事をしている時には、お盆、夏休みが楽しみだった。何処かへ行っていた。少しばかりのことで熱中症もどきになってしまう今は、何処へも行かない。家の中でじっとしている。お盆だなあー、とただ思いながら。
で、ふた月近く前に観た大仏さまの映画の話を。
東博の資料館に、TNM&TOPPANミュージアムシアターがある。TNMは、東京国立博物館、TOPPANは、凸版印刷。両者のコラボ。CGで生成された超高精細なバーチャルリアリティ映像を、大画面に映し出す。上映は、週末のみ。
ふた月前には、『東大寺 大仏の世界』が上映されていた。

大仏さま、今から1250年前、聖武天皇の詔により造立された。当時の日本の人口の約半数の人が、その造立に関わった、と言われる。
無限に輝く「光の佛」。

正式名称は、盧舎那佛。

大仏さま、お釈迦さまが悟りを得た時に、宇宙いっぱいに光り輝いた姿を写しとっている、という。
通常の映画館と異なり、このシアターにはやけに美形のナビゲーターがいて、このようなことを説明してくれる。

創建時の大仏殿、今の1.5倍も大きなものであったそうだ。CGで再現される。

大仏が座する蓮華座には、現在でも華厳経の世界感を表わした線刻画が残っている。
台座故、参拝時に見ることはできないが、その線刻画の須弥世界、克明に再現される。
須弥世界、須弥山世界だろう。須弥山、宇宙の真ん中にある。
「三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい」、高杉晋作が作ったと言われる都々逸だ。男なら、皆憧れる。できた男は、幸せ者だ。
ンッ、お盆だと言うのに、大仏さまのことを書いているのに、お前は何を書き出したんだ、となってきた。焼酎の水割りを呑みすぎたか。須弥世界、三千世界のことを書こう、と思っていたのだ。宇宙は広い、ということを。
私たちが住む世界、太陽系と同じくらいの直径の円盤の上に乗っている。これが、ひとつの小世界。
小世界が1000個集まったものが、小千世界。小千世界が1000個集まったものが、中千世界。中千世界が1000個で、大千世界となる。高杉晋作の言う三千世界とは、おそらく、この大千世界。
この大千世界の中心に存在する仏さまが、大毘盧舎那佛。つまり、大仏さまだ。
須弥世界の線刻画、おそらく、そのようなことを表わしているのだろう。美形のナビゲーター、そのようなことも、もちろん、「主と朝寝が・・・・・」についても、何も触れなかったが。

大仏殿の観相窓、元日とお盆の時のみ開かれる。
今夜も開かれているだろう。