それがどうした。

集合住宅住まいだから、地べたがない。だから、植木がない。ベランダに幾らかあるのは、すべて鉢植え。碌なものはない。
だから、地べたから生えている木や花を見るのは、すべて外。とは言っても、木がいっぱい生えていたり、花がいっぱい咲いていたりするところ、山歩きやハイキングなんていうものは、好きじゃない。
ごく普通の街中を、ぶらぶら、フラフラ歩くのが、一番好き。それも、ところどころに喫茶店があるところ。とは言っても、ドトールのような安くて煙草を吸うことができるコーヒーショップがあるところ。
まあ、どーってことない街中の道を、短時間歩く。これが、私の日常のひとコマ。
そんなどーってことない街中でも、いろいろな木や花を見かける。道端はもちろん、駐車場のフェンスの側や、他人さまの庭先や、子供たちが遊ぶ空き地の端などに。一昨日も、ビニール傘を持って、ぶらり散歩に出た。
紫陽花は、あちこちにあった。やはり、その色、美しい。名は知らないが、アオイの仲間だな、というものもあった。その中に、何だかくたびれているような黄色い花があった。普通の家の塀のところに。どこかクターとしてるんだ、その花。

雨に濡れたばかりじゃないだろう。このクターとしている様は。
地べたのある家に住んでいる人には、その名もすぐに解かるんだろうが、地べたのない私には、名も解からない。

下のコンクリの排水溝の上には、花びらがいっぱい落ちている。

どう見ても、クターとしている。すべてではないにしろ。

ところが、よく見ると、蕾もいっぱいある。
雌しべや雄しべが目立つので、花自体はクターと見える、ということかも知れないな。何というのか忘れたが、そういう花の咲き方あったような気もする。

暫く見ていたら、クターとしていない花には、ハチが飛んできた。
それがどうした、って言われても、困るんだが。その後、コーヒー屋へ行った。