桜狩りの道すがら(6) 躑躅。

5月に入り、”桜狩りの道すがら”もないだろう、何か時季外れだな、と思いながらも、折角だからあと何回か続けよう。珍しいものならいざ知らず、どこにでもあるありふれたものばかりなので、やや気が引けるところはあるが、かまやしない。
笑いっこなし。今日は、つつじ。4月下旬のころから、あちこちで見る花。

近場につつじ園といわれるところはないので、一望つつじばかり、という光景は見ていない。皆、このようなどこにでもあるものばかり。

小学校の校庭の隅にも、公園にも、街路樹にも、街路樹でなくても、ただの道端にも、民家の植えこみにも、あちこちで花を咲かせている。

つつじ、ポピュラーな木の割には、難しい字を書く。躑躅、やけに画数が多い。
足ぶみする、という意の”てきちょく”、と読むようだ。”足ぶみ”の意から、”ためらう”に繋がり、これまた難しい漢字の”躊躇”にも繋がっているようだ。ありふれた花の割には、奥が深いのかもしれない。

花が、つぎつぎに咲くので、”つづき咲き”から来ている、という解かりやすい説もあるが。

観賞用花木として、多くの品種改良がなされてきた。
花の大きさも、大きなものからミニ花まで。黄色い花もあるようだが、多くは濃淡さまざまな赤系統。紅の赤色の中に、白色の花が混じるのも美しい。白、あくまで白い。

     死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり     臼田亜浪
紅に燃える躑躅花、赤味の度合いが強いだけ死に近いのか。

ところで、時折り通る道にさほどの規模ではないが、洒落た家がある。1週間ほど前に通ったら、高い塀の上にこのようなものがあった。
白い塀の上からぶら下がっている。花や葉、どう見ても、つつじのように見える。
つつじは地べたに植わっている、というイメージを持っていたので、ホー、と思った。つつじ、ヨーロッパでも品種改良を加えられているようだから、その仲間かもしれない、と思うが、違うかな。