決死の放水と、濡れ手で粟。

福島第一原発3号炉への上空からの放水、昨日は実行されなかったが、今日は決行された。
自衛隊のヘリ2機で2回ずつ、計4回にわたって。

水を投下する前の3号炉の上の放射線量は、高度90メートルの値、1時間あたり87.7シーベルト。自衛隊での緊急時の許容量100ミリシーベルトを下まわっている。それでも、ホバリングをしての投下はできない。飛行しながらでの投下となる。風にも流され、確実に保管プールの上に落す、というワケにはいかない。
ヘリの床には放射能を防ぐ板を敷き、隊員は特殊な防護服を着ている、という。放水後帰還した隊員には、異常はなかった、という。そうではあっても、選ばれ、この任務を実行した自衛隊員、決死の覚悟であったろう。何しろ、このような事態での出動、初めてのことであったのだから。
その後、陸上から、警視庁の高圧放水車が放水した。自衛隊から借りた防護服を着けて。しかし、水は、3号炉の保管プールには届かなかった。高圧放水車の能力、50メートル以内に近づけなかったんだ。放射能の値が高かったかららしい。なんだ、とは言えない。彼らも、決死の覚悟であったはずであるから。

その後、自衛隊の放水車が5台、放水をした。3号炉保管プール目がけて。これは、目標に届いた。合計30トンの水を放水し、保管プールにもある程度入ったようだ。国を救うための、決死の覚悟の放水である。

使用済み燃料の保管プールへの注水が成功するとこうなる、という。
原発に送電線を引きこむ作業も実施中である。
電源が回復すると、各種ポンプが作動し、冷却システムの復旧も可能かもしれない、という。自衛隊による空陸からの放水、明日も続けられる、という。頼むぞ、自衛隊だ。
何しろ、今の日本の命運、福島第一原発がどうなるかにかかっている。
アメリカは、福島第一原発から半径50マイル(80キロ)以内の自国民に対し、退避勧告を出した。イギリスは、東京以北の自国民の退避を検討している。ロシアも。フランスや中国は、自国民の日本からの退避に、飛行機を飛ばすことを考えているらしい。
その他の国も、福島第一原発の事態にピリピリとしている。核クライシス、事態は、悪化している、と見ているのだ。我々日本人が考えている以上に、神経質な問題、として捉えられている。
そらだからこそ、福島第一原発、何が何でも抑えこまねばならない。

国内では、多数の避難されている方々への救援の前提である、三陸沿岸各都市への道路の確保が進んでいる。

ガソリンは、関西以西の13の製油所の稼働率をあげて、東北への供給を増やす。北海道の2つの製油所からは、海上で送る。
もちろん、我々国民は、できるだけ車には乗らず、ガソリンを節約することが求められる。日本全国、どこであろうと。できるだけ多くのガソリンを東北へ送るためだ。

しかし、外為市場では、こういうことが起こっている。
為替相場、ニューヨーク市場で、一時76円25銭となった。
今までの史上最高値は、1995年4月の79円75銭である。15年11カ月ぶりに、それを大きく突破した。”濡れ手で粟”で儲けようという投機筋が、円を買い進めている。

現在の為替市場、78〜9円で推移している。
しかし、その内、日本の復興のため、円の需要が増える、と見ている投機筋、円買いを仕掛けている。”濡れ手で粟”を狙っている。しかし、この動き、海外の投機筋ばかりじゃない。日本の投機筋も動いている。
一方では、”決死の覚悟”で放水をする自衛隊員がいる。その一方で、”濡れ手で粟”で儲けようという連中がいる。だがしかし、これが現実。
何とも、やりきれないが。