優先順位。

今日の東日本、とても寒い。東北各県、雪が降った。
避難所にいる人たちからは、悲痛な声が届く。食べ物がない、燃料がない、医薬品がない、情報がない、届けてくれ、という声が。それに、原発がどうなるか、という恐れが加わる。地方自治体の首長の中には、政府、さらに、より上の自治体へのイラダチを隠せない人もいる。気持ちはよく解かるし、そういう面は、多くある。
しかし、今、何をすべきか、何が大切か、優先順位を考えることが必要だ。
どのようなことも大切であるが、今、日本として最優先とすべきは、原発への対応であろう。次ぎに、被災地の道路、港湾、空港の復旧、整備である。中でも、道路だ。道路が通じなければ、取り残され孤立している人たちへ、食料も、燃料も、医薬品も、その他何も届けることはできない。
東北には、東北自動車道と国道4号線が縦貫している。その幹線道路から、甚大な被害を受けた三陸沿岸の各市町村への道を確保する。今日までに、沿岸部への道路、復旧したところが増えている。しかし、未だし、のところも多くある。ここもそうであろう。

石巻でもこれほどの人が不明であるとは、昨日まで報じられていなかったように思う。行くこともできず、連絡も取れなかったので、解からなかったのであろう。
だがしかし、石巻の不明の人の中には、巨大津波に耐えたコンクリートの建物の中で難を逃れた人が、今もいるに違いない。
その人たちへ、食料や、燃料や、医薬品を届けなくてはならない。その為には、道路の復旧が最優先。急がなくてはならない。
輸送路の確保、道路の復旧ができなければ何もできない。食料も、水も、燃料も、医薬品も、その他何も届けることは叶わない。道路の復旧、急いでもらいたい。
それと共に、日本国として、今、最もプライオリティーが高いのは、原発危機の抑え込みだ。
万が一の放射能汚染の問題がある。それと共に、日本国の誇りがかかっている。

digital globeが、今日撮った福島第一原発。
3号炉から煙があがっている。2号炉からも。4号炉の建屋の壁は、崩れている。

原子炉内への注水ばかりでなく、使用済み核燃料の保管プールへの注水も必要、となった。水素爆発を防ぐため。

夕刻、自衛隊のヘリが保管プールへ上空から水を投下する、との発表があった。大きなバケツで海水を汲みあげ、保管プールの上から撒く、という。
しかし、これは中止となった。原子炉上の放射能の値が、基準を超えていたために。防護服に身を固めた、ヘリに搭乗の自衛官、それでもオレはやる、と思ったのではないか。
保管プールへの注水は、警視庁の高圧放水車でやることになった。デモの鎮圧に使っている、50メートル先にも届く強力な機能を持つ放水車で。明日朝からになるようだが。

原発での作業員の被爆量の限度、今回、100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引きあげられた。しかし、この画面、よく見ると、国際的な被爆限度量は、500ミリシーベルトとなっている。
この画面が流れたNHKでも、このことには言及されなかった。たしかに、触れ難い問題である。だが、どうしてか。
東電は、福島第一原発の要員の人員を減らした。東電の対応、不可解である。海外メディアは、”ギブアップしたか”、と報じているらしい。
東電の計画停電、今日も実施された。しかし、1日に3時間ぐらい電気が停まり、水道が出なくても、そんなこと、どうってことない。東電の対応は悪いが、そんなこと、どうってことない。
しかし、東電の原発対応は、どうってことない、ではすまされない。
福島第一原発の現場の作業員は、身体を張っている。命を賭けている。しかし、退避しろ、という命令が来た場合には、それに従う。東電の上層部の意識に問題がある。今、東電が日本を背負っている、という意識がない。
東電、従業員数、38000人余、売上げ、5兆円を超える巨大企業である。しかし、そのリスク・マネジメント、情けない。日本を背負っている、という企業とは思えない。
今日の朝日新聞に、かって原子力安全委員会委員長長代理を務めた阪大名誉教授・住田健二の話が載っている。住田さん、東電及び原子力安全・保安院の一連の対応を批判している。彼の言っていること、その通りだと思う。

夕刻、天皇のビデオメッセージが流された。被災者への思いが込められていた。
各国元首から多くの見舞いが来ている。それを被災者に届ける、とも。頑張ってもらいたい、とも、復興へ尽してもらいたい、とも。今上天皇、心を痛めておられる。宮内庁のHPによれば、御所の電気も消しておられるそうである。

インテルの長友佑都も、ヨーロッパからこのようなメッセージを送ってきている。
チャンピオンズリーグに初出場した後、こう書いた日の丸を競技場の観衆に掲げたそうだ。「心はひとつ。みんなで乗り越えよう!」、と書いた日の丸だ。

地震後、しばしばメールをくれる、関西に住むいとこのYから今日来たメールには、関西でも電気店やホームセンターで、乾電池や懐中電灯がなくなっている、関東ではいかばかりか、何かいるものはないか、と書かれていた。たしかに、電池や何やかや、店から無くなっている。しかし、そんなこと、どうってことない。
それにしても、買占め、困ったものだ。枝野も言っている。東北へ送るため、買占めはしないでほしい、と。そうだ。
NHKへ送られたファックスの中に、こういうものがあった。車に乗るのをひかえよう、というものが。たしかに、そうだ。
昨日、ウチのカミさんが、車のガソリン半分もない、と言っていた。ガソリンスタンド、大行列している、と。このファックスのように、車に乗るのをひかえればいいのだ。そういう事態なのだから。