助力。

ニュージーランドへ派遣された日本の緊急援助隊、クライストチャーチへ着いた。
倒壊した建物の中にいる、と思われる日本人の不明者が多い、ということもあるが、従前よりは、派遣のスピード速かった。昨年のハイチの時など、ずいぶん遅かった気がする。
タイムリミットの72時間は、迫る。しかし、迫ってはいるが、まだ時間はある。大車輪の活動、助力を願う。
中東の激動に移る。
チュニジアに始まり、エジプト、バーレーン、イエメン、そして、リビア、と激動が続く中東、さらに、アルジェリア、モロッコ、クウェート・・・・・、とその波は及んでいる。
昨日の夜(日本時間、今日未明)、「最後の血の一滴まで戦う。天安門事件のように、叩きつぶす。・・・・・」、と長い演説をぶったカダフィ、まさに、そうしている。死者の数、おそらく、ケタが上がった。千の桁に。
しかし、リビア東部は、完全に反体制派の手に落ちた。カダフィが頼みとする首都・トリポリのある西部でも、離反が続いている。側近たちの間でも。時間の問題、となった。
リビアに限らず、今の中東の激変、ネットを使った民衆革命、と呼ばれている。たしかに、そうだ。しかし、それを後押ししている集団がいる。”縁の下の力持ち”として、助けている集団が。
数日前のアルジャジーラに、こういうショットがあった。

どこか可笑しな、ヘンな仮面を被った人がいる。アノニマス(Anonymous)だ。
彼らが、中東の反体制派に力を貸している。
そういえば、このアノニマスの人たち、去年の暮、ウィキリークスのジュリアン・アサンジがロンドンで逮捕された時、アサンジを釈放しろ、とこの仮面を被ってデモをしていた。ヘンな人たちだな、と思っていた。50年近く前の前衛芸術集団、ハイレッドセンターを思い出した。彼ら、ヘンな仮面をつけて、道路の掃除なんかをしていたんだ。
若い人は、ご存じでないだろうから、少し寄り道をすると、ハイレッドセンターは、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之、という前衛芸術家の頭文字をとったもの。高松の高、赤瀬川の赤、中西の中、ね、ハイレッドセンターになるでしょう。この3人、その後、いずれも名を為した。特に、高松次郎は、世界的なアーティストとなった。惜しくも、死んだが。
それはともかく、上の写真のアノニマス、読めるところだけでは、「法に従い、私は自由だって、繰り返しいってくれ」、と記してある。彼ら、反体制派の人たちへの連帯を示している。
しかし、そればかりじゃない。アノニマスの面々、中東の各国政府のサーバーへ、サイバー攻撃をかけている。DoS攻撃、というそうだ。各国政府の受けたダメージ、測り知れなかったものだったようだ。
アノニマス、コンピュータのプロ集団。ハッカーのプロでもあるらしいが、正義の味方、でもあるらしい。中東の反体制派に助力している。単なる連帯を超えて。
彼らのサイトを見てみると、こういうことが出ていた。
「我々は、軍団だ。我々は、許さない。我々は、忘れない」、とか、「我々は、インターネットの自由のための、ファイターだ」、というような文言が。
その実態は知らないが、アノニマス、命を賭して闘っている人たちに助力する、正義の味方でもあるらしい。