リビア 最終章。

昨日、リビア情勢、一挙に動いた。
反カダフィ派軍、トリポリ市内の9割を制圧した。残るは、カダフィが立て籠っているバーブ・アジジヤ地区のみ。数キロ四方の地域だそうだから、そう時間を要せずに落ちるだろう。
チュニジアに始まった中東の反独裁民主化革命、チュニジア、エジプトは、短時日のうちにことは為された。2月15日にベンガジで始まったリビアの反体制の動きも、当初は2月中に決着がつくのでは、と思われた。いかにカダフィが強力な軍を持ち、いかに恐怖体制をしいていようとも。
しかし、そうはいかなかった。反体制派の軍備は脆弱であり、兵も寄せ集めの素人、カダフィ政権側の軍備、傭兵も含めたプロ兵士に押し戻されることが多かった。リビア東部から首都・トリポリを目指すも、長期戦となった。
それが、昨日突然、反体制派軍がトリポリの9割、ほぼ全域を制圧した。リビア情勢、最終章に入った。

Al Jazeeraのウェブサイト、題字横の写真。キャプションは、「リビア 最終章」。
リビアでの打倒カダフィの戦闘、半年余となる。一進一退が続いた。
動いたのは、5か月前。NATO軍による空爆が始まってから。英仏をはじめとするNATO諸国、シビレを切らした。このままでは、反体制派潰される、と。カダフィのやっていること、酷い(いかに酷いことをやっているか、Save Libyaがアップしている映像を見ればよく解かる。但し、心臓に問題がある人にはお薦めしない)。酷く、惨たらしい殺戮を行なっている。
カダフィのやっていること、人道に対する罪である。リビアの人たちを救わなければ。だから、NATOはカダフィ派の拠点に空爆を行ない、反カダフィ派の助太刀をした。たしかに、それは、そう。
今日、サルコジは、リビア反体制派の中心となっている国民評議会議長のアブドルジャリルに対し、一両日中にパリへ来ないか、ということを持ちかけた。これは、何を意味するか。
リビアは、世界有数の石油産出国。皆、リビアの石油利権を狙っている。隠れカダフィ派であった中国も、態度を変えつつある。反体制派にすり寄っている。あちこちの国、石油を狙っている。第三世界の資源を奪い合うこと、歴史が証明している。
リビアの民主化革命と同時並行で、強国による、資源の、富の収奪は続く。

Al Jazeeraのウェブサイトにあるアイキャッチの写真。
昼間見た時には、このように”トリポリの陥落”、というキャプションがついていた。だが、今見たら、写真は同じだが、そのキャプション、”トリポリの闘い”、と変わっていた。
カダフィ軍、数キロ四方のバーブ・アジジヤ地区で、まだ抵抗を続けているもの、とみえる。今現在、激しい戦闘が続いているようだ。だから、Al Jazeeraもキャプションの一部を変えたんだ。しかし、時間の問題。
次ぎは、シリアとイエメン。
そして、5年先か、10年先かは解からぬが、中東、アラブ世界の民主化の波、あちこちでうねりにうねり、いずれはサウジまで到達することになるだろう。その時が、本当の最終章。