圧政、終わるな。

反体制派への銃撃はしていたが、まさか空からの爆撃や機銃掃射までする、とは思わなかった。
カダフィのリビア、いよいよ追いつめられた。

昨日の夜(日本時間、今日未明)、カダフィは空軍を使って、国民に対して無差別爆撃を行った。
今日のニュースには、「オレは、ベネズエラへなど逃げてはいないよ」、といって出てきたカダフィ、”砂漠の狂犬”に戻った。
今日、電話でカダフィと話した国連事務総長・パン・ギムンは、「激怒している」、と語っている。
カダフィには、もう逃げ場はない。ジェノサイドに手を染めたのだから。そう遠くない日、人道に対する罪で、ハーグの国際司法裁判所で裁かれるだろう。コソボの時の、セルビアのミロシェヴィッチと同様に。

カダフィの写真に火をつけるリビア市民。
このところ、アルジャジーラを見ている。今日の写真も、アルジャジーラからのもの。

このようなものが載っていた。
グーグルの地図であるが、あちこち印がついている。込み入っていて解かり辛いが、反体制派からのレポートがあったところだ。東(右)の方は、ベンガジなどリビアの東部地域。西(左)の方は、首都・トリポリなどの西部地域だ。飛行機マークは、空軍基地。
未確認情報、との注釈はついているが、リビアのあちこちで、血が流されていることが解かる。

ブログにこういうマンガがあった。
「殉教者の血を飲むカダフィ」、カルロス・ラトゥッフから寄せられた、とある。
カルロス・ラトゥッフ(Carlos Latuff)、これまでにもさまざまなマンガをアルジャジーラに寄せている。リビアのことばかりでなく、バーレーンの王さまを批判したものもあった。
カルロス・ラトゥッフ、元々アラブとイスラエルの問題、パレスチナ問題に関心を寄せる著名なマンガ家だ。彼自身は、ブラジル人だが、アラブ寄りのスタンスを持つ。だから、イラクへ侵攻したブッシュなんかは、コテンパン。ここ暫くの中東での騒動では、当然のことながら、反体制派への連帯を強めた作品を発表している。

リビアでのカダフィ打倒の動きが起きてから、不思議に思っていたことがある。リビアの国旗のことだ。
リビアの国旗は、緑一色のはずなのに、時折り、赤、黒、緑、に三日月と星がついた3色旗が出てくる。それが、だんだん増えてくる。カダフィ打倒の反体制派の映像に。

この人が掲げているのが、それである。
この旗、王制時代のリビアの国旗だそうだ。今の緑一色の国旗は、カダフィがクーデターで王制を倒した時、イスラムの神聖な色・緑を使って、急遽作られたものだそうだ。だから、今も海外に生きる王制派ばかりでなく、カダフィ打倒の反体制派も、この旗をシンボルとしているらしい。

ベンガジを制圧した反体制派が掲げているのも、よく見るとこの旗だ。

これも、そう。
いずれにしろ、ジェノサイドに打って出たカダフィ、その命運は尽きた。リビアでの圧政は、終わる。
3日後、金曜日がピークとなるだろう。