カダフィ、遂に、殺さる。

2月半ばに始まったリビア革命、短時日で事は成る、と思っていた。しかし、その後、膠着状態が続く。
動くのは、NATOによる反体制派への肩入れから。NATO諸国の空爆を受けては、カダフィの命運も決まったも同然、2か月前にはトリポリが落ちた。だが、カダフィの行方、杳として知れず。消えてしまった。
つい先ほど、カダフィが拘束されたらしい、いや、死んだという情報もある、というニュースが流れた。情報が錯綜しているが、というニュースが。
このような時には、ALJAZEERAに限る。

アルジャジーラの題字下。カダフィ、やはり、殺された。
30秒ばかりの、動画映像もアップされている。上半身裸で、顔面血だらけのカダフィが床に横たわっている。周りでは、多くの人が騒いでいる。おそらく、”遂に圧政者の息の音を止めたぞ”、と言っているのであろう。
42年に渉るカダフィの圧政、完全に命脈が尽きた。リビアの民衆革命、ここに成った。
カダフィ、やはり、その出身地・シルトに潜んでいたようだ。2か月の間。金に釣られた傭兵もいたろうが、砂漠の民、結束は固かった、とも言える。
砂漠の国、部族社会の国でもある。このこと、リビア革命は成ったが、これからの国内運営、大変だ、とも言えること。

カダフィ、生きて拘束されたようである。国民評議会の軍事部門の指揮官、こう言っている。
「激しい戦闘の末、カダフィを捕えたが、両足に酷い傷を負っており、それで死んだ」、と。カダフィの遺体、安全上の理由で、秘密の場所へ運んでいる、とも。

”カダフィを殺った”、を知ったリビア国民は喜んでいる。あちこちで、空へ向けて銃をぶっ放しているようだ。
一昨日、アメリカの国務長官・ヒラリー・クリントンが、トリポリを訪れている。軍用機で。国民評議会との会談で、今後の支援も約しているが、石油の話も出ているに違いない。
NATOの国民評議会への肩入れ、空爆も、石油がらみであること、見え見え。その後の、サルコジの動きを見るまでもなく。一昨日のヒラリーの動きも、そうであろう。
リビア、”石油”という切り札を持っている。民衆革命の仕上げに、サルコジやヒラリーを手玉に取る指導者が現れると、面白いのだが。
それはそれとして、シリアのアサドは、今夜の寝つきは悪かろう。