中東の金曜日。

また、金曜日が来た。
アルジャジーラのウェブサイトのアイキャッチも、「エジプトの闘い」から、「エジプトからバーレーンへ」に変わった。
中東諸国、金曜礼拝の終わった後のデモ、あちこちで続いている。さしあたり激化しているのは、バーレーンとイエメン。
ペルシャ湾岸のバーレーン、小さな国だが産油国。アメリカの基地もある。なにより、少数派のイスラム教スンニ派が実権を握っている。頂点に立つのは、スンニ派の王家一族。多数派のシーア派は抑圧されている。支配、被支配の関係に、宗教対立がある。
シーア派のデモ、初めは王制を倒すことは考えていない、と言っていたが、だんだん王制打倒の色を強めてきた。政権側も、各家庭に1000バーレーン・ディナール(約22万円)を支給する、という笑っちゃうような懐柔策に出た。さすが、アラビアの王さまだ。
しかし、それでデモの勢い収まらないと見るや、今度は強硬策に切りかえた。戦車を出動させて、武力で抑えつける方策に。さてどうなるか。おそらく、抜き差しならなくなるんじゃないか。
バーレーンの王家一族、政権側も困っているだろうが、それ以上に困っているのはアメリカだ。何しろ、もし王制が打倒され、シーア派政権でもできたら、なんて思うだにゾッとする、と考えているだろう。なにしろシーア派の総本山は、アメリカの天敵、あのイランなんだから。
しかし、バーレーンやイエメンより、今、最も注目すべきは、リビアであろう。
私は、もっと早くリビアで反政府行動が起こる、と考えていたが、なかなか起こらなかった。しかし、ついに3日前、15日に最初のデモがベンガジで行われた。カダフィの独裁体制、もう40年以上も続いている。多くの膿が溜まっているだろう。
しかし、そのリビアでの反体制デモ、命がけに違いない。
アルジャジーラが伝えるリビアの模様、何点か引く。

リビア第2の都市・ベンガジで始まった反体制デモ、その後、アル・ベイダ、首都のトリポリ、さらにと7都市に広がっているようだが、これは昨日のベンガジでのデモ。
彼らが持っているプラカードには、「人殺し」、「私たちは、正義を望む」、と書いてある。右下の人が持っているのには、よく見ると、「カダフィ 汚い大虐殺の容疑者」、と書かれている。
あのカダフィのリビアでよくも、と思う。彼ら、命を賭けている。

もちろん、体制側のデモもある。
カダフィの写真と国旗を掲げ、彼らのリーダー・カダフィの統治を称賛している、とキャプションにある。

こういう写真もあった。
この女性が持つ緑色のリビア国旗には、
「希望を捨てない。闘いに勝つか、さもなければ、死す。それは終わりではない。あなたも、私たちと共に闘ってくれ。リビアに自由の時が来るまで、私たちと共に闘おう」、と手書きされている。
今日の金曜日、彼らは、「激怒の日」としている。多くの人が殺されている。
まさに、命を賭した闘い、これからも続くだろう。