真っ当な人生。

晴れ。
長く臥せっていた叔父が亡くなり、通夜、葬儀に出席の為、昨日、今日と留守をした。それ故、昨日のブログはお休み。
大正の初期に北関東の地方都市に生まれ、兵隊にとられ、中国大陸から南方まで5年にわたり転戦、お国のために必死に戦い、最後はニューギニアで圧倒的な火力の連合軍に追い詰められ、多くの戦友を失いながらも幸いにして生き延び、日本へ帰還したのは終戦から1年以上経ってからだった、という。まだ健在の故人の妹である叔母の話である。
その後は、父親の仕事を引き継ぎ、子供を育て、柔和で生真面目な性格そのままの、愚直ともいえる実直さで商売を続け、曲がったことはおそらく何ひとつせず、誠実で律義な93年の生涯を閉じた。学校の教科書のような人生を。
戦争で外地にあった6年余を除き、人生のほとんど全てを生まれた町で過ごし、同じ町で旅立った。”・・胡乱”なる愚にもつかぬブログのキーを叩いている私など及びもつかぬ真っ当な生涯を。立派な人生だった、と思う。
日本には、まだこのような人がいるんだ、と思う。いや、多くの人はそうなんだ。それと同時に、日本に限らず世界中ほとんどの人はそうなんだ、おそらく9割以上の人たちは実直で真っ当な人生を送っているんだ、そのような人々で成り立っているんだ、日本も世界も、ごく一部の人を除いては、と思う。
叔父は失ったが、改めて教えられること、考えさせられることも多かった。