モーリス。

20世紀初頭のイギリス・ケンブリッジ。上流階級の子弟が学ぶケンブリッジ大学でモーリスとクライヴは出会い、惹かれあう。
共に美青年。性の多様化が謳われる現代とは違い、同性愛などもっての外という時代である。
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『モーリス』、原作はE.M.フォースターが1913年に書いた物語。
フォースター自身もケンブリッジの出身であり、同性愛であった模様。自身の体験が反映されているそうだ。
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『モーリス』、監督:ジェームズ・アイヴォリー、1987年、イギリス映画。
日本公開は1988年。2年前の2018年、4Kデジタルリマスターで再公開された。
イギリスは階級社会である。上流階級と労働者階級の二極。上流階級の典型は貴族階級であろう。貴族でなくとも政治家は上流階級の出が多い。今の首相、ボリス・ジョンソンもボサボサ髪でなりふり構わない男だが、上流階級の出に違いない。労働者階級の典型はビートルズ。自らの力で成り上がっていった。
ケンブリッジで出会い、惹かれ合うモーリスとクライヴも上流階級の出である。
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モーリス扮するジェームズ・ウィルビー、クライヴに扮するヒュー・グラント。共に美青年。下のアレックという男に扮するルパート・グレイヴスも美青年なのだが、この男は労働者階級、というより南米からの出稼ぎ労働者。
このアレックも同性愛者、後にモーリスと身も心も結ばれる。
ゲイの美青年の物語である。
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モーリスとクライヴ。
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モーリスとクライヴ。
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モーリスは迫るが、クライヴは踏み切れない。身体の関係までは踏み切れなかった。
さまざまなことが頭をよぎるんだ。地位や名誉のことなどが。上流階級の人間としての。
ケンブリッジを出た後、クライヴは弁護士となり、結婚する。クライヴ、モーリスに結婚の立会人になってくれと頼み、モーリスも引き受ける。
クライヴは政治家への道を歩んでいるようだ。広大な敷地に住んでいる。何しろ敷地内に猟場があるのだから、イギリスの上流階級はハンパない。モーリスはそこへ時折り訪ねていたのだが、ある夜・・・
クライヴの猟場の番人であるアレックが、モーリスを襲う。
アレックは、モーリスも自分と同じ同性愛の嗜好があると読んでいた。モーリスも受け入れる。上流階級と労働者階級の愛、同性愛。
二転三転があるが、モーリスはアレックと生きることを選んでいく。
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それにしてもゲイの青年、みな美形ばかり。
20数年前であるが、ヒュー・グラントなど惚れ惚れするような美青年。ヘタしたら世の男の大半がゲイになってしまうよ。間もなく80となるジジイはもう遅いが。


今日、安倍晋三の辞任を知ったドナルド・トランプ、こう語ったそうだ。
「最大の敬意を表す。(病気での)辞任はつらいことだったであろう」、と。
ドナルド・トランプの人間らしい言葉、初めて聞いたような気がする。