初雪だ。

初雪が降った。
午後3時半すぎ、窓の外に雪が舞っているのに気がついた。
初雪と呼べるほどのものではなかったし、降ったと言えるほどのものでもなかったが、雪は雪だ。
以前は雪が降ると嬉しくて、長靴を履いて外へでたものだが、今はそのようなことはできない。
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アパートのベランダから下を見下ろした。
敷地内の車の屋根に少し積もっているか。
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こちら側の林の方は。
雪が斜めに走っているが、立木の葉を少し白く染めただけで3、40分で止んでしまった。


実は今日、この初雪が降ってきた時間、NHKで『ドクトル・ジバゴ』が流されていた。
1時から4時20分まで。途中インターミッションもあり、3時間を超える長尺。
原作:ボリス・パステルナーク、監督:デヴィッド・リーン、音楽;モーリス・ジャール、主演:オマー・シャリフ。さらにアレック・ギネス、ジュリー・クリスティ、ジェラルディン・チャップリン、トム・コートネイ、ロッド・スタイガー、・・・。1965年の作。
パステルナークの著はソ連では出版されず、1957年から海外諸国で翻訳され、1958年にノーベル文学賞を受けている。が、当時のソ連政府の圧力で辞退している。その後、サルトルも辞退しているが、こちらは個人的信条から。
デヴィッド・リーンによる映画は55年前の作。
パステルナークの著作は読んでいないが、映画はずいぶん昔に見た覚えがある。それにしてもデヴィッド・リーンという監督は、こういう大がかりなスペクタクルを創らせたら上手い。『戦場にかける橋』にしろ〚アラビアのローレンス〛にしろ。ロシアの雪で覆われた大地を大きな蒸気機関車が突っ走る様など。
20世紀初頭、革命前夜のロシア。貴族階級はまだぬくぬくとしている。労働者たちの動きがある。赤軍と白衛軍との内戦。レーニンがモスクワに入ったとの情報。十月革命がなり、ソ連が成立する。
が、実は主テーマは、主人公である医者であり詩人でもあるドクトル・ジバゴ、ユーリ・ジバゴとラーラとの何とも切ない物語。ユーリもラーラも既婚者であるが故。
1週間前の21日、バイデンの就任式の折り、レディー・ガガが歌うアメリカ国歌を聴きながら、私はどういうわけかアメリカ国歌を聴くと、感情が高ぶり、胸がグッとくると記した。
実は『ドクトル・ジバゴ』の中に、ロシアの労働者たちが「インターナショナル」を歌いながら行進する場面が何度か出てくる。「アメリカ国歌」と同じく「インターナショナル」も胸にグッとくるんだ。
私が大学に入った時、60年安保の時代は過ぎており、大した反対闘争をするようなものはなかった。政防法(政治的暴力防止法)というのがあった程度であった。何でもいいや、デモへ行こうと考えていた。
早稲田車庫から2、3両、多い時には5、6両都電を貸しきり、デモ会場の清水谷公園まで行った。都電の中は学生でぎゅー詰め、すぐに「インターナショナル」の大合唱が起こった。初めの内は、私は「インター」を歌えなかった。口パクをやっていた。
その内、何度かぎゅー詰めの都電に乗る内に「インター」が歌えるようになった。が、今思うと、ノンポリの私、毎回別のセクトのデモに行っていたのかもしれないな。いいかげんであるが。
そうではあるのだが、「アメリカ国歌」と同様「インターナショナル」もやはり今でも胸にグッとくる。
若い頃の摺りこみか、終末期に入り過去を振りかえることが多くなったせいか。