イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密。

車椅子に乗った天才・ホーキング博士は若い頃からよく知られているが、同じイギリス、同じケンブリッジ出身の科学者でありながら、50年以上にわたりその存在を封印されていた天才がいる。アラン・チューリングである。
1939年、イギリスとドイツは戦争状態に入る。第二次世界大戦である。その戦争終結を2年以上早め、1400万人以上の命を救った、と言われる男、それがアラン・チューリングだという。しかし、彼の存在は50年以上秘密に閉ざされていた。イギリス政府によって。
何故に。

第二次世界大戦時、ドイツは世界最強の暗号「エニグマ」を誇る。暗号の組合せは、150×10の18乗。解読不可能、と言われていた。それに挑んだのが天才数学者・アラン・チューリングである。
アラン・チューリング、エニグマに対するにそれを打ち破るマシンを造る。しかし、エニグマは一日に1回、その配列を変える。150×10の18乗の組合せを。気の遠くなる作業である。
チューリングはそれに挑む。
しかし、天才につきものの問題も起こる。
周りとの協調性なんてことには、さほど意を払わないんだ。各分野の天才ぞろいの同僚とも、上司ともぶつかる。
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』、とてもスリリングな物語である。

本作、監督は、モルテン・ティルドゥム。天才数学者・アラン・チューリングには、ベネディクト・カンバーバッチ、彼と婚約するやはり天才であるジェーン・クラークにキーラ・ナイトレイが扮している。
今年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞(ベネディクト・カンバーバッチ)、助演女優賞(キーラ・ナイトレイ)はじめ8部門でノミネートされた。

さもありなん。
とても面白い。

アラン・チューリング、ついに世界最強の暗号ドイツの「エニグマ」を解読する。
ドイツとの戦争に勝つために、小を捨て大を目指す、という情に逆らうことも行う。

エニグマ解読の情報をソ連に流しているスパイが、という問題も起きる。
さらに、戦後のこと、アラン・チューリングがゲイ、同性愛者である、という問題も表面化してくる。当時のイギリス、同性愛は法律違反、罪である。
アラン・チューリングも逮捕され、刑務所に2年入るか科学的な去勢である薬物療法をとるか、という選択を迫られる。

英国政府が50年以上隠し続けた理由も、その一端はここにある。
1954年、アラン・チューリングは自らの手でその命を絶った。亨年41。
2013年、イギリス女王・エリザベス二世、アラン・チューリングに死後恩赦を与えた、という。

アラン・チューリングがドイツの「エニグマ」解読のために造った装置、「チューリング・マシン」と呼ばれる。
現在、「コンピューター」と呼ばれている機器の原型である。


今日、安倍晋三、新国立競技場の建設計画の白紙撤回、ゼロベースでの見直しを表明した。
森喜朗の首に、やっと鈴がつけられた。
森喜朗は、面白くないよ。ラグビーW杯の会場にも間に合わないし。「生ガキをドロッと垂らしたようなデザインを見せられて、へーっ、こんなの嫌だなと思っていた」なんてことを言っている。腹いせに。
その”生ガキをドロッと・・・”、と森喜朗がいうデザインを決めた審査委員会の委員長・安藤忠雄、問題が表面化して以来今月7日の有識者会議にも出てこず、逃げ回っていたが、昨日表に出てきた。
安藤忠雄、「自分はデザイン案を決めただけ。工費増なんて知らない」、と言う。
無責任な男だ。これで安藤忠雄の文化勲章の目はなくなったな、と私は思った。
ところがだ。安藤忠雄、5年前に文化勲章を受けちゃってる。困ったものである。安藤忠雄、文化勲章、国へ返還しろ。
今日の安倍晋三の決断、国内政局がらみのものであるが、国際協調という面から言えば、日本の信用度の格付け、落ちちゃったな。致し方ないか。