オホーツクふらふら行(16) とっかりセンター。

海洋交流館からすぐの所に「オホーツクとっかりセンター」がある。
オホーツクタワーと砕氷船・ガリンコ号の運営会社であるオホーツク・ガリンコタワー株式会社が、とっかりセンターをも運営しているようだ。
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雪の中にオホーツクとっかりセンターがある。
小ぶりな施設で、入口にも人はいない。100円玉を2枚入れると人一人が通ることができるパイプが開き、そこを通り入る。
この200円、入園料というより・・・
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「餌代等協力費」というもらしい。一人200円貰っても、使命感がなければやれないであろう。アザラシを守るのだ、という。
オホーツクとっかりセンター、昭和62年に4頭のアザラシを保護したことから始まったそうだ。とっかりセンターのチラシにそうある。また、<「とっかり」とは、アイヌ語で「アザラシ」を意味する言葉です>、とも。
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館内マップ。
まず、「水中行動観察室」へ入る。
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大きなガラス面が3つある。
アザラシが泳いでいる。案外速い。水槽の中の水は、紋別のオホーツク海の水だそうだ。
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アザラシ、こうして見たことなどない。
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こちらから出てきた。
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速いんだ。
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下にもいる。
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後ろの壁面にはさまざまな説明書が。
右の方にロコ・ソラーレの写真が見えるが、彼女たちのプロフィールではない。目の前で泳ぐアザラシたちのプロフィールである。
名前であるとか性別、年齢、性格などが記されている。
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こういうものもある。
紋別市の特別住民票である。
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一部拡大する。
紋別市の特別住民、自己紹介もしている。
不鮮明で申しわけないが、指で押し広げれば何とかなるであろう。
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愛寿と名づけられたアザラシの、保護からオホーツク海へ放つまでのことごと。
平成23年5月11日、ガリンコ港内にて衰弱しているところを保護される。とっかりセンターで手当を受け、保護から50日後にガリンコ号に乗って、紋別沖にリリースされたと記されている。
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こういう掲示も。
オホーツクとっかりセンター、基本的には傷ついたり病気になったアザラシを保護し、手当をする所である。
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上階というか屋上というかに、このような屋外プールが4つある。
多い所で8頭、少ない所で4頭が入っている。前に名前と顔写真が付けられている。
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飼育員であろう係の女性が出てきているプールがあった。
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その前には、このような掲示板が下がっていた。
このプールには、5頭のアザラシがいるらしい。
ゴマフアザラシの「はるみ」、「キョロ」、「かり子」、「りさ」の4頭と、ワモンアザラシの「よう」の計5頭。
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係の人を見たアザラシ、プールから飛び出した。
と、係の女性は強い口調でこう言う。
「ダメ、りさはだめ。戻りなさい」、と。
怒られたりさは、水の中へ戻る。
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係員の女性は、「キョロ、キョロ」と言う。「キョロ、おいで」、と。
1頭のアザラシが上がってくる。
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係の人がキョロと呼ぶアザラシらしい。
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「キョロ、おいで、キョロ、頑張って」、と係の人は言う。
しかし、キョロはこの短いスロープをなかなか越えられなかった。何度も滑り落ちていた。その度に係りの女性はキョロを励ます。頑張れ、ガンバレ、と。
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キョロ、ついにスロープを乗り越え係の女性の許へ。餌をもらっていた。
それにしても、係の女性、「りさ」には強い声で怒っていた。しかし、「キョロ」にはずいぶん優しく接している。依怙贔屓をしているんじゃないか。
そう思い、訊いてみた。そうではなかった。依怙贔屓なんてものではない。
活発な「りさ」は既に餌を食べている。それにもかかわらずわれ先に上がってくる、と。だから、怒った、と。それに引き比べ、おっとりしていると言うか、要領が悪いというかの「キョロ」は、まだ餌にありつけなかったんだ、と係の女性。
アザラシの世界、人間の世界と似ている。
要領のいいヤツと悪いヤツ。まあ、そういうものなんだよな、と思う。
「あなたは、りさにはきつく、キョロには優しく接していましたが、そのあなたの感情はアザラシには解るものなのでしょうか」、と訊いた。
「おそらく解かっているものだと思います」、という声が返ってきた。大変な、凄い自信を持っている声である、と感じた。
「本日の担当者」という記載もあった。3人の女性が記されている。中に、「アザラシのために大阪からはるばるやって参りました。・・・」、という女性がいた。
とっかり・アザラシの世話をする飼育員・係の人は、北海道の人ばかりじゃなく日本のあちこちから来ている模様である。多くは若い女性が。
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この板をはったオホーツクとっかりセンター・・・
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そして、ゴマちゃんランド、もう行く機会は、私には残されていないが、これからも存続し続けることを、と願う。