バンコク散歩(10) MOCA(続き×2)。

MOCA、あと少し。とても面白い美術館だから。
このような美術館ではニューヨークのMoMA、パリのポンピドゥーセンター、ロンドンのテート・モダーンといった大手がある。もちろん、そのような美術館とは比べものにならない。しかし、とても一生懸命な美術館だな、と感じるんだ。

オッ、アリがいた。

モハメド・アリ、ワールドワイドのスーパーヒーローだったものな。
そう言えば、昨日死が報じられた山本KIDもアリとは較べられないが、限られたとは言えワールドワイドのヒーローであった。アメリカやオランダ、南米のアルゼンチンからまで神の子・KIDを悼む声が寄せられていることに驚く。
MOCAとは直接には関係ないことながら。

この3点の絵、何とも可笑しな作品だ。
何人もの人が描かれている。が、皆さん多国籍と言えば多国籍、無国籍と言えば無国籍である。
真ん中の作品に描かれている女、つぶし島田に着物。これは、明らかに日本の女であろう。
が、何とも可笑しな絵だ。やはり。

そのタイトルは、こう。
<無題>。
なるほど。

ンッ、野田哲也だ。
見逃しているものもあるかもしれないが、MOCAで見た唯一の日本人作家である。

野田哲也の<日記>シリーズである。
木版とシルクスクリーン。

辺りを払うこの作品、896のドットが穿たれている。
拡大するとよく分かる。

この作家、タイのナショナル・アーティストである。いわば国民的アーティスト。
そう言えばMOCAの展示、この他にもナショナル・アーティストは何人もいた。
タイの大手企業の創業者でありMOCAを作った男、愛国者なんだ。振り返れば、MOCAの展示物のほとんどはタイの作家のものである。
ソウルのサムスン美術館を思いだす。
サムスン美術館、コンテンポラリーアートと韓国古美術に特化した美術館である。小粒ながら素晴らしい美術館である。
MOCAも「現代美術館」なんてことじゃなくサムスンのように企業名を付けた名前にした方がいいのじゃないかなー、と思う。

素晴らしいコレクション。戻ろう。

上階から下を見る。

この吹き抜けも。

ここも。

どういう壁面なのか、面白い。
帰ろう。
タクシーを呼んでもらおうと思い、入ったところのチケットカウンターに行くと、「タクシーを呼びましょうか」と声がかかった。
外国人にも年寄りにも優しい。
ほどなくしてタクシーは来た。

BTS(高架鉄道)のモーチャット駅まではタクシーで。
コインロッカーもコンテンポラリーな感じ。
その後は電車。