バンコク散歩(9) MOCA(続き)。

MOCA、コンテンポラリー・アートの美術館という名称であるが、その収集品はいわゆるコンテンポラリーに囚われない。元々、タイの大手企業の創業者のコレクションだそうだ。その人の嗜好や感性で収集したものであろう。

だからこのようなものもある。
タイ人形劇のマスクである。

そのひとつを抜き出す。存在感のある美しさ。
現代美術館と言われるもの、例えば東京都現代美術館に文楽人形浄瑠璃の頭はない。大阪の国立国際美術館にもない。しかし、バンコクの現代美術館には人形劇のマスクがある。それはそれでいい。素晴らしい。

この平面と立体のコラボ、コンテンポラリーだ。
枯れたハス。ハスは仏教国タイの付きものだ。枯れたハスなら、なおさら深い。

タイトルは難しいな。<生命の流れの舟>なのかな。<命を進む舟>ってことか。日本でも同じであるが、作品のタイトルは概ね解りづらい。<静物>とか<〇〇風景>といった解りやすいタイトルはだんだん少なくなっている。
なお、昨日断わるのを忘れたが、タイの人の名前は私たちには何と読むのか難しいので、作家名とタイトル、そして技法は撮ったものそのままを載せている。
上のように。

この健康的なお嬢さんの右手に見える作品は・・・

これ。
エントランスにあった光り輝く作品の縮尺判である。

<偉大なサイチョウ女>。
サイチョウって南アジアに住む大きな鳥らしい。
タイ人の名前は日本人に比べ長く読み難い。この作家も何と読むのか。

コンテンポラリー・アートとはインスタレーションにあり、と言えば少し乱暴に過ぎようか。

このような作品。

この3人の人物が”my Dog”なのであろうか。



左の作品のタイトルは<若い女>。右の頭に鳥がとまっているおじいちゃんの作品のタイトルは<老人>。
で、真ん中の骸骨を抱いている老女を描いた作品のタイトルは・・・

こういうもの。
<ダールマ 自然の秩序>。
ジイさんよりバアさんの方が、仏陀の教えに近いということなのかなー。

左の方に光を反射している大きな作品がある。

この作品。

タイトルは<ニュー クリアー>。ずいぶんベタなタイトルだ。
メタルの上に油彩されている。

メタル、近寄ると揺れる。面白い。

ゆらゆらと揺れる。



向こうの方に何か面白そうな作品がある。

これ。
この色調、自然な佇まい、日常の光景。
[
ファイバーグラスの立体。<また、お会いしましょう>。
その何気なさが、心に沁みる。

この作品ばかりじゃなく、このようないわばタイの美人画とも言える作品が幾つもある。

この作品のタイトルは<チャオプラヤー川>。
チャオプラヤー、バンコク市内を流れる川である。この「バンコク散歩」のはじめの頃、お寺巡りをした時にも渡った川である。いわばバンコクの母。


その一部を取り出す。
豊満な肉体の美女が描かれている。このような作品は何点も展示されていた。
いわばタイ美人の典型なんだな。タイの理想の女性像なんだ。しかし、街中で見かけたタイの女性たち、このような女人は一人もいなかった。当たり前のことながら。

こういうものがあった。
トンネルのようなもの。

<宇宙へのパッサージュ>。
そう言えば今日、ZOZOTOWNの前澤友作が2023年のスペースXの月への周回飛行に行く第一号として契約した、と発表していた。アーティストを6〜8人を引き連れて、と。一人あたりの旅費はおおよそ100億円だそうだからお供のアーティストを入れ、総額800億円ばかりの宇宙旅行のようだ。
それはそれ、勝手にしろってことだが、バンコクの宇宙へのパッサージュは・・・

入っていく。

星雲か。

すぐに出口となる。
太ったおばさんが二人見えた。

パッサージュを抜けると、大きな作品が目の前に。
MOCAの模様、あと少し続ける。明日。


文在寅(ムンジェイン)、今日ピョンヤンへ飛んだ。金正恩(キムジョンウン)から熱烈、いやそれ以上、強烈、ベラボウな歓迎を受けている。
明日、どういう答えが出てくるのであろう。トランプ睨みで。


そのドナルド・トランプ、今日、またもや中国に対する貿易戦争をしかけた。中国も応戦した。
米中の経済戦争、トランプと習近平で勝手にやっていろってワケにはどうもいかない。世界経済に大きな打撃を与える。
米中、何とも度し難い国である。
私たちは、トランプと習近平という度し難い二人と同じ空気を吸わざるを得ない時代に生きていることの不運を嘆くより他ない。


それよりも、山本KIDが死んだ。
8月下旬であったが、山本KIDががんと戦っているとの画像が流れた。山本KID、車いすに乗っていた。心配していたが、末期だったんだ。
毎年の大晦日は、格闘技中継があればそれを見ている。
山本KIDの最後となった試合、2015年大晦日の魔裟斗との試合も見ている。
この夜、フジのRIZINとTBSのKYOKUGENの2局の中継を、番組表を見ながらフジへいったりTBSへいったり、としながら見ていた。
曙とボブ・サップの試合、格闘技デビューのバルトがピーター・アーツを粉砕した試合、そして、何と言っても、一日限りのカムバックを果たした魔裟斗と神の子・山本KIDの試合。魔裟斗が判定で勝った。
通常のボクシングなどではあり得ないマッチメークなんだ。山本KID、魔裟斗よりひと回り小さい。が、山本KID、正面から魔裟斗に挑んでいった。結局、敗れたが。
今も、心に残る。