素心伝心。

藝大の美術館は、時折り面白い展覧会を催す。藝大ならではってもの。クローン文化財と呼んでいるものもそれ。

素心伝心。
「素心」は、一昨年のバーミヤン石窟の天井画再現の時に現れた。その後、昨年のバベルの塔の再現時にも使われている。常日頃の心とか思い、というように理解している。
今回、これに「伝心」がつけ加わった。「以心伝心」の「伝心」であろう。常の思いと心と心。何となく解かる思いがする。
が、藝大前のこのポスター、よく見ると、”SOSin / DENSin”とも記されている。
どういうことか。
「素心」は”SOS”inであり、「伝心」は「すみか」inでもあるらしい。
失われた文化財の復元を目指す藝大の試み、”SOS”を発する文化財に再びの「住処」を与えることにあるようだ。

藝大構内へ。
緑の中の看板。

藝大が取り組んでいるクローン文化財とは。

充実した展示である。
まずは法隆寺金堂釈迦三尊像のクローンから。

釈迦三尊像のクローンは、バベルの塔のクローンの時にもあった。
昨日だったか今日だったか、中国がサルのクローンを作出したというニュースが流れた。もっともな理屈はつけているが、相変わらず中国はヤバいことをしている。その点、日本は文化財のクローンである。理屈などいらない。文化的。

法隆寺金堂の中にいるよう。

法隆寺金堂外陣壁画12面もクローン復元された。

実は今日1月26日、1949年のこの日、法隆寺の金堂が出火し12面の外陣壁画すべてが焼損した日である。漏電であった。幾重に悔んでも後の祭りとなった。
で、藝大のクローン復元である。
この後ろに見えているのは・・・

法隆寺金堂外陣壁画で最も知られている第6壁 阿弥陀浄土図。
その左は第5壁、その次は第4壁。

12面すべてをざっと。
左は第1壁 釈迦浄土図。
その右は第2壁、その次は第3壁。

右は第9壁 弥勒浄土図。
その左は第8壁、その次ぎは第7壁。

左は第10壁 薬師浄土図。
その右は第11壁、その次は第12壁。

第6壁 阿弥陀浄土図。
美しい。

第4壁 菩薩像。

第5壁 菩薩像。

第2壁 菩薩像。

第1壁 釈迦浄土図。

第7壁 菩薩像。

第8壁 文殊菩薩像。

第10壁 薬師浄土図。

第11壁 普賢菩薩像。

藝大のクローン技術、時空を超えて1400年前の飛鳥の雅に誘う。


昨日、一昨日、外へ出ていたら、初場所の模様大きく様変わりしている。
10日目まで全勝の鶴竜がすんなり駆け抜けるのか、と思っていた。白鵬も稀勢の里も休み、出足快調で7連勝をしていた御嶽海も8日目から連敗、地味な場所になるな、この初場所は、と思っていた。
と、2日間相撲を見なかったら何と、鶴竜が連敗、栃ノ心が1敗を堅持、トップを走っている。
これは面白い。

今日の栃ノ心、今場所好調の逸ノ城とがっぷり四つ、力勝負で215キロの逸ノ城を寄り切る。

栃ノ心、優勝に大きく近づいた。

結びの一番。
2連敗の鶴竜と5連敗の御嶽海との一番。
今年は大関を狙うと公言している御嶽海、一発かましてやれ、と気構えていた。御嶽海ファンの私は。

立会い、御嶽海、のど輪で鶴竜の体をおこす。

御嶽海、素晴らしい立会いである。
いけー。

御嶽海、鶴竜を押し出す。

御嶽海、出羽一門の栃ノ心の優勝の力になりたかったなんて殊勝なことを語っている。稽古をつけてもらっているので、と。
あと2日、二桁の勝ち星を目指す、とも。
いいぞ、その心意気。この醜男、現在の私の一番の贔屓力士。

今日までの星取。
栃ノ心で行くであろう。
栃ノ心、故郷・ジョージアで生まれた子供・アナスターシアちゃんに会いに行くことを考えているそうだ。
アナスターシア、いい名前。


野中広務が死んだ。
自民党という政党は、懐の深い政党で、「ああこの人が」という人を多く輩出してきた。
野中広務もそのひとりである。
筋を通した政治家であった。
古賀誠がこう語っている、「また昭和という時代が遠くなってしまいました」、と。
まさにそう。野中広務ばかりじゃなく古賀誠自体、今では遠くなってしまったもの。