後藤亮子展。

新橋から銀座中央通りを歩く。
聞こえてくるのは中国語ばかり。あちらにもこちらにも中国人のグループがたむろしている。ただ、以前に較べ大きな荷物を持っている人は少ない。今や爆買いは無理としても、そこそこ買い程度はしてくれなくっちゃ。
そう思いながら銀座シックスの角を右へ折れる。
以前の松坂屋、えらく様変わりしている。GSIXなんて。
草間彌生の水玉が浮かんでいる写真を見たような気がしたので、入ってみた。1階を少し見ただけだが、水玉はなかった。上の方にあるのだろうが、行く気がしなかった。GSIX、私が入るような建物じゃない。
昭和通りの一本手前の道を右へ。

すぐに後藤亮子展の看板が現れる。

ビルの壁にも後藤展の案内ハガキが貼られている。
1年半前の前回展の時もそうだったが、面白い。

画廊入口の横にも3枚ピンどめ。

画廊の入口、ただドアがひとつである。が、なにがしかささやかな工夫をこらしているところが多い。画廊宮坂もそうである。
画廊宮坂の「宮坂」はどなたかの書き文字。中が透けて見える格子がまたいい。
この佇まい、私は好き。

5時少し前に画廊に入ると、この日(昨日のことです)の世話役の高橋とゴッドマザーの久保寺は既に来ており、作家の後藤と話していた。

5時すぎ、次々と学生時代の仲間が集まってくる。

銀座の画廊巡りをしてきたこの男も。

元気になったこの男も。
向こうに見える後藤亮子の作品を見てみよう。4号から10号の作品が中心である。

この色彩、絶妙のバランス。
前回の後藤亮子展の折り、私は後藤の作品を、「カームフレイバー ゴトウユーゲニズム」と名付けた。
「静謐な趣きの 後藤幽玄主義」、とでもいう意である。しかし、私が自信を持って創った俳句の季語・「花漠」と同様、その後人の口からこの言葉を聞くことはない。残念であるが、仕方ない。
「カームフレイバー」と感じないか? 「後藤のユーゲニズム」と思わないか?
その幾つかを見てみよう。

≪パズル≫。

≪ひと休み≫。

≪歩く≫。

こちらは・・・

≪意志≫。

左から、≪風のゆくえ≫、≪リズム≫、≪うたたね≫。
カームフレイバーだ。

後ろの作品、面白い。

≪沈黙≫。
正面からだとどうしても写りこんでしまうが、幽にして玄妙。

これもいい。
≪朝のとなり≫。
後藤亮子のユーゲニズム。

5時半すぎ、座る人が多くなる。
なおこの日、従前通り、最後にこの日参加の昔の仲間全員で記念写真を撮ったが、作家の意向で今回は不掲載とした。
この後、すぐ近くの高橋アレンジの居酒屋で、後藤亮子展の祝いの会を行う。