真樹会展 最終展。

5月中旬、新宿ヒルトン地下のヒルトピア・アートスクエアの真樹会展へ。
学生時代の仲間・後藤亮子の出品作を観るために。

後藤亮子の作品の前で何人か待ち合せる。
例年、7〜8人で行くことが多かったが、この日は忙しがっている者もいて5人。

後藤亮子の今年の出品数、多い。7点。カンヴァスに油彩。F3〜F10。
タイトルは、≪風景Ⅰ≫〜≪風景Ⅶ≫。
懐かしい後藤らしい作品、1点ずつ。



こういう色、後藤色。

掃いたようなこういうマチエールも、後藤のもの。



例年より多く出品していることには、ワケがあった。
今年の新樹会展、後藤から来た案内ハガキにこうあった。

真樹会展、最終展となっていた。
毎年5月には真樹会展、年末にはレザン展を観に行っていた。それが無くなる、という。
真樹会展もレザン展も、それを主宰していたのは田畑弘。その田畑弘さんが亡くなった。後藤たち真樹会展やレザン展に出品していた人たち、みな田畑弘さんの弟子なんだ。
先生が亡くなった。おそらく弟子たちが集まって、今後のことを話し合ったことであろう。しかし、誰か先生に代わる核となる人がいればいいが、そうでない場合には、グループの継続は難しい。
だから、長く続いた真樹会展も今回でもって最後、ということになったそうだ。残念。

会場には、昨年11月に上梓された田畑弘さんの作品集『一つの星』(幻冬舎ルネッサンス刊)があった。
田畑弘さん、クリスチャンである。聖書をテーマに描いている。そのきっかけは、アマゾン川流域での先住民との10年に及ぶ関わりであったそうである。アマゾンの奥地で先住民と暮らし、彼らの中に”エデン”を見出した、と。
クリスチャンとして受洗礼したのも、そのアマゾン体験によるものだそうだ。
やはり置いてあった「キリスト新聞」2014年3月8日付けに、そういう記述がある。
実は、昨年12月のレザン展で後藤亮子の作品を紹介した折り、田畑弘さんの作品も紹介している。癌であと残り僅か、といった頃である。とても静謐な作品である、という印象を受けた。
<ルオーの銅版画≪ミセレーレ≫と同じく、深い精神性を感じる>、と記している。

今年は5人であったが、毎年、古い仲間が連れ立って真樹会展に来ていた。来年からは、それが無くなる。寂しい。
最後の真樹会展である。
50数年前の美少女・後藤亮子を囲み、薄くなったり白くなったりした頭の野郎ども5人、記念写真をパチリとした。
後藤の作品の前で。