マダム・マロリーと魔法のスパイス。

昨日は妖怪ハンターと妖怪の”とんでもねー”バトルの物語であったが、この『マダム・マロリーと魔法のスパイス』もバトルに次ぐバトルで始まる。

南フランスの片田舎にあるフレンチレストラン、オーナーはマダム・マロリー、ミシュラン1つ星の格調高い老舗である。
その真ん前に、何とインド料理屋がオープンする。「メゾン・ムンバイ」という名のインド料理屋を開いたにのは、一家を引き連れてインドから来たカダム家のパパ。
壮絶なバトルが始まる。
フランス料理とインド料理のバトルどころではない。文明の衝突だ。

中国人も”濃い”が、インド人も”濃い”。そして文化文明に関しては、フランス人も”濃い”。やわな日本人など中印仏の”濃い”連中には太刀打ちできない。
その仏印間のバトルがくり広げられる。
監督はラッセ・ハルストレム。製作にスティーブン・スピルバーグ。だからかどうか、魅せる。

頑固者同士のバトルがある。
(下左) マダム・マロリー。扮するのは、名優ヘレン・ミレン。
(下中央) 真ん中の白髪の男がインドから来たカダム家のパパ。扮するのは、私は知らない名であるが、インドでは名優として知られているというオム・プリ。
このマダムとインドから来たカダム家のパパ、さまざまな場でバトルを繰り広げる。
市場での食材の買占めバトルに始まり、音、匂い、・・・、シックとドハデ・コテコテまでバトルを繰り広げる。
”濃い”仏と印の人である上に、共に頑固。余計なことであるが、文明でも引かないな、仏、印、それに中は。
なお、右は、マダム・マロリーのレストランの副料理長・マルグリット。左上は、マルグリットとインド料理屋の次男・ハッサン。

マダム・マロリーとハッサン。
マダム・マロリー、ハッサンが絶対味覚の持ち主であることを見抜く。

ハッサンとマルグリットが互いに惹かれ云々、ということは既に途中で折りこまれていることである。
しかーし・・・

マダム・マロリーとインドから来たカダム家のパパ、この頑固者同士がどうなるのか。それが気にかかる。2人の頑固者、中央で肩を組んでいるのであるが。
すべてが予定調和、ハートウォーミングな物語なんだ。
「これでいいの」って声も出るであろう物語。でも、これでいいのだ、と言いたいな。