西遊記 はじまりのはじまり。

ありがたい経典を持ち帰るため、三蔵法師が孫悟空と猪八戒、沙悟浄を伴とし天竺への旅をするのが「西遊記」である。そう思っていた。
そういうありがたい物語を観ようと思っていたら、とんでもない物語であった。

「とんでもない」じゃなく、「とんでもねー」。「ありえねー」って物語でもあった。
超娯楽バトルエンターテインメント。天竺なんて一向に出てこない。

チャウ・シンチーの『西遊記』、よく見ると、その後ろに「はじまりのはじまり」と付いている。
天竺への旅が出てこないのも当然、それ以前の物語なんだ。妖怪バトルの物語。

玄奘(中央左)という名の若い男がいる。玄奘、妖怪ハンターなんだ。
この映画、妖怪ハンターと妖怪との”とんでもねーバトル”を描いている。
妖怪ハンターって何だ、と訊かれても正確には答えられないが、妖怪を捕まえて改心させる人たちのようである。
玄奘の他にもさまざまな妖怪ハンターがいる。自らの足を巨大化して戦う足じい・天残脚(右上)とか、4人の姥桜を連れた虚空王子とか、・・・とか、と。
極めつけの妖怪ハンターは、頼りない玄奘をしばしば助ける綾瀬はるか似の妖怪ハンター・段(中央)。武闘派の美人ハンターである。チーム段なるハンターチームを率いている。
妖怪の側も多士済々。
水の妖怪、半魚半獣の妖怪・沙悟浄(左上)。牙の生えた猪八戒(右下)。
妖怪ハンター vs 妖妖、という構図。

妖怪中の妖怪、孫悟空も。
孫悟空、仏から500年もの間洞窟へ閉じこめられていた。

半魚半獣の沙悟浄が人を食ったり、

何やら頼りない玄奘と、武闘派美人妖怪ハンター・段との淡い恋模様があったり。
CGを多用した「とんでもねー妖怪娯楽バトルエンターテインメント」、面食らいつつも、フムフムなるほど。
「西遊記」の”はじまりのはじまり”は、よく解かった。
でも・・・

玄奘以下の4人組、今度こそ天竺・インドへ行くのかなー。