狡猾、卑劣。父母は。

昨夜11時ごろ、「イスラム国」は新たな画像をユーチューブへ投稿した。後藤健二さんが、「イスラム国」の人質となっているヨルダン人パイロットの写真を持たされている。
多くの日本人は、今日そのことを知った。私も。
「イスラム国」、狡猾にして卑劣な行ないに出た。

「イスラム国」、ヨルダンへ向けてボールを投げた。
後藤健二さんとリシャウィ死刑囚との1対1の交換だ、と。

期限も切った。
24時間、と。

今日の朝日夕刊。
昨夜のアンマン。ヨルダン人パイロットを救え、とのデモ。当然であろう。

人質となっているパイロットの父親、こう語る。
「息子を救い出してくれ」、と。父親として当然だ。

後藤健二さんの母親は、こう語る。
「健二の命を救ってください」、と。母親だ。

昨夜、アメリカ国務省のサキ報道官、こう語る。
日本もヨルダンもアメリカの緊密な同盟国である。しかし、自国民の命が今まさに、という状況に追いこまれたその時、アメリカの言う原理原則に囚われているワケにはいかない状況も生じる。

つい先ほど8時すぎ、ヨルダンはこういうメッセージを流した。
ヨルダンは立憲君主制国家である。王様が強い権限を持つ。ヘタをすれば、王制の権威が揺らぐ。場合によっては、王制崩壊に追いこまれることもある、と私は考える。
ヨルダン、国民感情を思いばかり、このような意思表示をするのは当然である。しかし、日本はどうなる。後藤健二さんはどうなる。
狡猾、卑劣な「イスラム国」に弄ばれているだけか。その体内に赤い血液が流れていないような「イスラム国」の連中に。
今後の予断は許さない。


昨日、1945年、アウシュビッツがナチスドイツから解放されてから70年となる。
アウシュビッツで記念の追悼式典が催された。それ以前には、ドイツでも追悼式典が。
今88歳となるアウシュビッツから生還したこの人、こう語る。
「異なる宗教や意見を持っている人を切り捨てるのではなく、お互い理解することが・・・・・」、と。
凝り固まった「イスラム国」の連中に、アウシュビッツから生還したしたこの人の思いが伝わらないのが残念だ。