ヨコトリ(12) 横浜、港、そして海。

大竹伸朗の先には、喫茶エリア。

椅子テーブルの向こうには、港が見える。

青い風船も見える。
ギムホンソック作≪8つの息≫。
”8つの息”っていうからには、8人の人が青い風船に息を吹きこんだのだな、きっと。青い風船も8つあるし。

外へ出る。
その青い風船、ブロンズだそうだ。ふんわりとしたゴムの風船だと思っていたが、硬いブロンズに彩色したものらしい。
左の方には、大きな風車がある。

どういうものかは知らない。しかし、とても大きな風車である。

その風車、ゆっくりと回っている。

右の方へ眼を転じると、いかにも港らしい光景が。横浜港のごく一部ではあるが。
左の方に白い船が停まっている。

JAPAN COAST GUARD(海上保安庁)の巡視船がニ隻停まっている。
左のPL31は「いず」、3,500トン。右のPL66は「しきね」、1,300トン。共に横浜海上保安部の巡視船。
横浜海上保安部、第三管区海上保安本部である。昨今、中国の漁船が小笠原沖の日本の排他的経済水域で、サンゴを密漁している海域をも所管する。横浜海上保安部は多くの巡視船を抱える故、「いず」や「しきね」が小笠原沖へ出動しているかどうかは知らない。
今回のヨコトリのアーティスティック・ディレクター・森村泰昌が謳う「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」、という言葉、小笠原沖を忘却の海にしてはいけないだろう。
このところの私、不思議に思っていることがある。小笠原沖の密漁についてである。
孔孟の国・中国、恥ずかしいと思っていないのかなーって。
そんなチンケなことよりヨコトリだ。
次のヨコトリは3年後。また見に行きたいが、大丈夫かな、私。