覚悟を持って、対すべし。

弱腰だ、と騒がれている。確かに、弱腰であり、判断ミスである。しかし、尖閣諸島の問題、まだ第1ラウンド。
この問題、両者引くわけがない。日本人から見て、理不尽ではあっても。第1ラウンドは失った。しかし、この問題、長期戦になる。長期戦覚悟じゃないと勝てない。解決しない。基本は、19世紀からの帝国主義手法にあるのだから。
弱腰だ、と言っている人も、チキンレースに踏み込む度胸を持つ必要がある。
観光客が来ないとどうこうとか、4人の日本人が拘束されどうこうとか、レアアースの禁輸処置でどうこうとか、理不尽にも謝罪と賠償を求めてきたとか、近辺海域に2隻の漁業監視船が来たとか、こんなことは、まだ序の口だ。
経団連の会長なんか「経済活動に影響が及ぶことを懸念し・・・・・」、なんてことを言っている。何言ってんだ、当たり前だ。日本経済に打撃を与えるために、さまざまな処置を取っているのだから、中国は。
レアアースの禁輸どころか、大量の外貨保有を誇る中国、その内、大規模な円買いに出てくるかもしれない。対ドル82円台でもアタフタする日本、大規模な円買いで、対ドル70円台にまで誘導すれば、日本経済ガタガタになる、と読んでいるだろう。
確かに、そうなるだろう。しかし、その覚悟を持って対峙することが求められている。窮乏生活に耐える覚悟が必要だ。日本経済、今でも厳しいのに、これ以上、なんてことを言っちゃいけない。この問題、そういう問題なんだから。何しろ、今の中国、帝国主義の国なんだから。
ひとつ不思議に思っていることがある。メディアの論調に、軍事的な側面からの報道がないことだ。尖閣諸島近辺に、漁業監視船どころか、その内、巡視船、さらに駆逐艦程度の軍艦を送りこむ、なんてこともあり得る。日本は今、尖閣諸島海域には、海上保安庁の巡視船を出している。両者遭遇し、突発事態もあり得る。応戦する覚悟も必要になる。
さまざまな統計はあるが、概ね、今の中国、アメリカに次ぐ世界第2位の軍事大国となっている。核の保有国でもある。しかし、局地戦では、十分対抗できる。むしろ、上かもしれない。日本も、世界6、7位の軍事大国なのだから。そのことよりも、より問題なのは、その覚悟がいる、ということだ。
今、弱腰批判をしている人たちも、そのどれだけの人が、その覚悟を持っているのか、ということを考える。さほどいないんじゃないか。ポピュリズムに流されている人が多いのじゃないか。どこか、そう思える。だが、この問題は、覚悟を持って戦うことが必要だ、尖閣諸島の問題は。
日本政府、第一段階の判断は誤った。ミスデシジョンだ。しかし、尖閣諸島のこの問題、まだまだ始まったばかり、長期戦になる。
政治的、経済的、軍事的、あらゆる側面から対応していく覚悟が必要だ。今の中国、前世紀的な帝国主義覇権理論のもと、行動しているのだから。
帝国主義、覇権主義には、さんざん痛めつけられてきた国なんだが、そのことを少しも学習していない。痛めつけられた国が、痛めつける国になる。南沙諸島、西沙諸島の問題もある。
情けない国になってきたぞ、中国は。帝国主義国家になった。中国にとって、悲しむ。
だがしかし、こうなった以上、日本は怯んじゃいけない。覚悟を持って、対すべし。