河瀬和世展<和紙・コラージュ>。

地下鉄を京橋で降り、東京スクエアガーデンの大きなビルの中を通りT−BOXへ。東京スクエアガーデン、東京だなーて感じ。T−BOXへは久しぶり。

柳通りのT−BOX。

河瀬和世展、階段横のポスター。
河瀬さんからの案内ハガキには「展覧会の多い年・・・」、と書き添えられていた。後で聞いたら、この展覧会が今年3回目の個展とのこと。
そう言えば夏にも、個展とグループ展の案内状を頂戴していた。しかし、今年の夏はほとんど家から外へ出なかった。河瀬さんの展覧会ばかりじゃなく、何人かからいただいた案内、すべてを失礼した。

河瀬和世展、ギャラリー内へ入る。
いつものように、<和紙・コラージュ>とサブタイトルがつけられている。

ほとんどの作品は、手染め和紙。墨、染料、あるいはその双方が用いられた手染め。さらにコラージュされている。濃淡、また何層にも亘るコラージュ。
右端の作品に近寄ろう。

河瀬和世≪夕焼けのとり≫。手染め和紙(染料)・糸。
手染めの和紙。左側は絞り染めのよう。右は全面赤色。
昔のコンコルドのようなとり(鳥)が夕焼け空を飛んでいる。が、この作品のみ、後ろに「糸」とついている。どういうことなんだろうか。近寄る。

コンコルドのような鳥が、朱に染まった夕空を切り裂いて飛んでいる。コラージュだ。そして、「糸」である。
よく見ると、絞り染めとそうでない染の間が縫ってある。糸で。芸が細かい。
作家・河瀬和世、あとひと手間、ふた手間かけるんだ。

これもそのようなことが言える。斜めから見た≪夕焼けのとり≫。
コラージュされた和紙を貼ったボードに赤く色が入っている。ひと手間をかけている。そのひと手間でコンコルドのような鳥は大きく飛べるのかもしれない。

≪歩く≫。
幾重にも染め分けられた和紙、歩く鳥がコラージュされている。
この歩く鳥、意志を持っているな。この歩く姿を見る、と。

≪風景ー水≫。

「どこかにお立ちになって」、と言った。河瀬さん、「ここがいいかな」、と言ってここに。
右側には、やはり赤い鳥が。

≪朝のとり≫。

鶴であろう。
尾羽が浮いているところも、にくい。

「そこは宇宙です」、と作家・河瀬和世は言った。
河瀬和世の宇宙、左の方からひとつずつ見ていこう。

≪星の対話≫。
和紙を用いた手縫いの額も、作家・河瀬和世の工夫。
左上に見える赤い滲みも、作家の工夫。

≪明ける≫。
この作品のみ、泥染め和紙・手染め和紙(染料)と記されている。
原始、始源の世界なのであろうか、大地が割れ赤いものがチラと見える。世が明けたのであろう。

≪星がうまれる≫。
この作品には墨や染料の他、蜜蝋が使われている。

上は、≪流れ星≫。下は、≪新しい月≫。
美しい。

こういう作品がある。
書を行なっている人が稽古のために書いた料紙を捨てていると聴き、それをもらったものを用いている、という。
そこにコラージュをほどこしているそうだ。
右側の作品は≪つづる≫。画仙紙・手染め和紙(墨)。その一部を拡大すると・・・

こう。
作家・河瀬和世はこう言う。「触ってごらんなさい」、と。
指を触れると、凹凸を感じる。
反故になった料紙を裏に使い、そこに細かく切った紙をコラージュしているそうだ。文字と見紛う、切った手染めの」和紙を。

この2点も≪つづる≫。

右の作品を拡大すると、こう。

こういうコーナーがあった。

こう繋がる。

≪したためるC≫。
案内ハガキにも用いられている作品。
やはり書道家の反故の料紙を用いて河瀬和世の世界を表現している。

≪したためるB≫。

近寄り、その一部。

改めてここを。

これは≪のちのおもい≫であったか。
河瀬和世の作品、「どんどん触ってください」、と作家は言う。

小さな白っぽい立方体であった作品も、上のピースを取ればこういうようになる。
色鮮やかな集積に。

≪御朱印帖≫。

裏返せばこのように。

手染め和紙の御朱印帖である。

作家・河瀬和世、その後ろの作品を手に取り「こういうものです」、と。
和紙の世界、広がる。

T−BOXにいた間に一度蚊が出てきた。T−BOXのオーナー、すぐさま補虫網を持ちだして蚊を獲った。
日本の首都・東京のど真ん中で蚊、これもまた面白い。


昨日、貴ノ岩が引退した。
付け人への暴力云々で。引退やむなし、との声が広がっていた。で、引退。
引退会見で、「もし、時間を戻せるとしたら」、との問に対し、「また新弟子になりたい」、と答えていた。
哀しい。貴ノ岩、何ていうことを言う。モンゴルから日本へ来た若者、哀しいよ。
私は、貴ノ岩に涙した。


今日、ラグビー・トップリーグ総合順位決定戦の準決勝、サントリー対ヤマハ発動機の一戦が凄かった。
双方、自陣からでもパスを回すという戦法をとっていた。当然のこと肉弾戦となる。
サントリー、ヤマハ共、世界的なプレイヤーが加入している。ニュージーランドやオーストラリアで数多くのキャップを持っている選手が。
双方、決着がつかず、サドンデスの延長戦となった。延長3分過ぎ、サントリーはPGを決め決勝へ歩を進めた。決勝は神戸製鋼との一戦である。


今日、パールハーバーの日であるが、それについて触れたメディアは少ない。それでいいのか。
今、米中の関係が怪しい。かっての日米の関係に重なる。
パールハーバーを忘れちゃいけない。