マネー・ショート。

後で考えると、「そうだよな。どだいそんなこと、おかしかったんだよな」ってことに気がつくのだが、それが起きるまでは分からなかったってことが、世の中には幾つもある。
8年前のリーマン・ショックもそうであった。
ほとんどの人は、デリバティブ程度の言葉は知ってはいたろうが、サブプライムローンやモーゲージ債なんて言葉は知らなかったのではないか。ましてや、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)なんて何のことやら、という状態であったろう。私もそうであった。手酷い仕打ちにあった。が、金融商品、すべて自己責任であるから、それは致し方ない。
ところがその時、リーマン・ブラザーズを含むウォール街に戦いを挑み、勝利をおさめた男たちがいる。CDSで。
CDS、市場が暴落すればするほど利益を生む、というものである。
金融商品というものその種類はめったやたらにあるが、CDSもデリバティブのひとつと言えるであろう。まあ、簡単に言えば逆張り商品である。

<ウォール街 vs アウトロー これがリーマンショックの真実だ。>、と記されている。しかし、正確に言えばリーマンショックを予見し、逆張りで巨富を得た若者たちの物語である。

『マネー・ショート』の原作、4年前この雑ブログでも触れた『マネーボール』の作者と同じマイケル・ルイス。
『マネーボール』は、メジャーリーグの弱小球団・オークランドアスレティックスのGMビリー・ビーンが、イェール大学出の数学に強い若者を使い、ITを駆使し、球団を立て直すお話であった。
ビリー・ビーンには、本『マネー・ショート』のプロデューサーであり出演もしているブラッド・ピッドが扮していた。

今世紀に入ってからのアメリカの不動産バブル、2005年には鋭い能力を持つ人間には見えていた。
年収の何十倍もの融資を行うなんていつか破綻する、と。
後になってみれば、誰しもがそう思う。しかし、その渦中にあると、そういうことは見えないんだ。それが普通の人間なんだ。
特別な嗅覚を持つ人間のみが、そのことを嗅ぎわける。

この4人である。
『マネー・ショート』、事実に基づいた物語。
この場合は、「ショート」、「空売り」であるが、市場が上がろうが下がろうが、いずれの局面でも利益を生み出す連中がいる。並みの人間にはできることではない。
金融商品の世界など、そのようなものであろう。


安倍晋三、内閣改造を行なった。
石破茂は閣外へ出た。力を溜めて、ということなのだろう。
安倍晋三の思い入れが強い稲田朋美は、防衛相となった。
何となし私の思い入れの強い世耕弘成は、経済産業相として初入閣した。
頑張ってくれ。