リトル・ミス・サンシャイン。

しっかりしているのは、ママだけ。あとは問題のある人間ばかり。でもハートフル、家族の愛の物語である。
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『リトル・ミス・サンシャイン』、2006年の作。とても面白い、名作との評があり、見たいと思っていた。つい先日、かかった。
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『リトル・ミス・サンシャイン』、監督は、ジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリス夫妻。すこぶるつきで面白い。
なお、2006年のアカデミー賞には作品賞を含め4部門でノミネートされ、脚本賞(マイケル・アーント)と助演男優賞(アラン・アーキン)が受賞した。
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アメリカ、ニューメキシコ州のアルバカーキに住むフーヴァー家の6人。
娘のオリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)は7歳。ポッチャリした体型であるが、子供のミスコンで優勝したいと思っている。繰り上げでカリフォルニアでの大会へも出られることとなる。
パパのリチャード(グレッグ・キニア)は、9段階の何々とかという、負け犬にならない自己啓発プログラムの商品で一山当てようと思っているが、なかなか上手くはいかない。
パイロットを目指すⅠ5歳の息子・ドウェーン(ポール・ダノ)は、ニーチェにかぶれ無言の業を続けている。言葉を発しない。
ママの兄貴(スティーヴ・カレル)は、本人はアメリカで一番のプルースト学者と言っているが、自殺未遂をしたゲイ。ママが病院から引き取ってきた。
おじいちゃん(扮するのはアラン・アーキン)は、エロじじいでその上ヘロインも常習していて、老人ホームを追いだされた困ったじいさん。しかし、孫娘のオリーヴとは仲がいい。
これらの問題ありありの家族を取りまとめているのは、ママのシェリル(トニ・コレット)。
カリフォルニアで行われる子供のミスコン・「リトル・ミス・サンシャイン」に参加するためアルバカーキを出発する。
飛行機で行く金はない。で、ポンコツのフォルクスワーゲンのミニバスに乗りこんで。
本作、ロードムービーでもある。いや、面白い。
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一家6人、ファミレスのような所に入る。オリーヴはママに「予算は幾ら?」と訊く。「1人4ドル以内」とママ。
ひとり1食4ドル以内。なかなか厳しいが、フーヴァー家の6人、旅を続ける。
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しかし、ポンコツのフォルクスワーゲンのミニバス、クラッチが壊れる。駆け押しでエンジンをかけ、次々に飛び乗る。
車の駆け押し、何時の頃からかまったく見なくなったが、昔、5、60年前には私もやった。そこそこスピードが出たところでクラッチを踏みギアを入れる。懐かしい。
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パイロットを目指し無言の業を続けていたドウェーン、色弱だと分かり発狂する。それを見守る家族。
オリーヴがドウェーンを立ち直らせる。
実は、おじいちゃんが旅の途中で突然死んだ。ヘロインの過剰摂取の模様。家族はおじいちゃんの遺体をシーツに包み病院から運び出し、ミニバスに積んでカリフォルニアを目指す。
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何のかのがある。
やっと辿り着いたカリフォルニアの「リトル・ミス・サンシャイン」の会場でも。
家族が一丸となってオリーヴを盛りあげる。
家族の愛の物語。
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観に行った。
面白かった。素晴らしかった。


ところでニューメキシコ州、ディープサウス。共和党の金城湯池である。
フーヴァー家の皆さんも愛すべき一家であるが、ひょっとしてトランプに票を投じているのかもしれないな、ということが頭をかすめる。底辺に生きるアメリカの白人、何とも分かりづらいところがあるので。


夕刻、菅義偉が自民党総裁選への出馬会見を行った。
秋田のいちご農家の長男。高校を出たあと東京へ。工員になったが、2年後法政大学へ。政治家秘書から地方議員へ。・・・。・・・。自らの越し方を長く話していた。
地盤も看板もなく一歩一歩昇ってきた、と。
安倍や麻生のようなボンボンとは違い、たたき上げだということを縷縷。
これは案外、見ている人の心を掴んだのじゃないか。
勝負は既についているのであるが、この会見、岸田文雄や石破茂の抽象的な物言いに較べ分かりやすい。
菅義偉、好きな男ではないが、そう思う。