先鋭新象作家展。

秋、安藤イクオさんから「先鋭新象作家展」の案内が来ていた。
9月、画廊るたんへ行く。

銀座6丁目の画廊るたんへ。

画廊へ入ると、安藤イクオの作品がすぐ目に飛びこんでくる。

安藤さんもいた。
作品の横でニッコリ。

安藤イクオ≪文字はアートだ≫。アクリル。
安藤イクオ、絵描きであり、書道教室の先生であり、看板屋でもある。作品は看板を描く絵具を使っている、と以前話していた。が、今、気がついたらこの作品はアクリルで描かれている。画廊へ行った時には気がつかなかった。
それはともあれ、安藤イクオの≪文字はアートだ≫、今回は道因法師である。
安藤イクオの作品では、それを見る度、勉強をさせてもらっている。今回は、道因法師の恋の歌。
     思ひわび
       さても命は あるものの
      憂きにたへぬは 涙なりけり   道因法師
道因法師、出家し道因法師となる前の名は藤原敦頼。平安時代後期の貴族。この歌、藤原俊成が「千載集」に拾った歌である。
「思ひわび」つまり「思ひわぶ」という心の内、千年不変の感情であろう。後期高齢者には遥か昔の世界であるが。

安藤イクオの作品を見る度にいつも思う。看板を描く絵具やアクリル絵具でこのような文字を描く(書く)のは大変だろうな、と。

それにしても美しい。

「先鋭新象作家展」、そのグループ、毎回出展者が変わっているような気がしている。安藤さんはずっとのようだが。
この9月、私が行った折りには3人の人がいた。いずれの人も私とさほど違わない世代。
「もし、よろしければ安藤さんの作品と共に、私の雑ブログに載せてもいいでしょうか」、と言ったら、おふた方、「いいですよ」、と言う。

遠山征男さんとその作品。

遠山征男≪ぬりえ≫。キャンバス、アクリル絵具。

よく考えてみたら絵画作品に「ぬりえ」ってタイトルどういうものか。不思議。
遠山さん、アイロニカルな人なのか。

山下捷二さんの作品は皮を用いた作品。

山下捷二≪革作品 2018 Ⅷ≫。

近寄ると、不思議な細胞世界が現れている。

今、気づいた。
画廊るたんと共に「株式会社 銀座銃砲店」という文字が見える。
画廊るたんへは何度も行っているが、同じビルの同じフロアに銃砲店があるなどということは知らなかった。ライフル射撃のエア・ライフルやエア・ピストルなどを商っているらしい。珍しい店、この次画廊るたんへ行った時には覗いてみよう。


今日未明、2025年の万博が大阪に決まった。
ロシアのエカテリンブルクとアゼルバイジャンのバクーと競っていたのだが、競り勝った。
大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)が会場となるそうだ。それはいいが、ひとつ思うことがある。
半世紀前の大阪万博は、丹下健三と岡本太郎の丁々発止があり、見る度に感慨深い「太陽の塔」が今に残っている。
2025年の万博、丹下健三に代わる建築家はさまざまいるであろう。隈研吾であろうと、妹島和世であろうと、伊東豊雄であろうと。大阪だから安藤忠雄ということになるかもしれないが。
しかし、岡本太郎に代わる造形作家は誰がいよう。村上隆や奈良美智などでは役不足である。
思い浮かばない。
この点は困ったってことであるな。