「聖地・大三島を護る=創る」 伊東豊雄展。

2006年に尾道と今治を結ぶ「しまなみ海道」ができて、推古天皇の時代、594年に創建されたといわれる大山祇神社のある大三島にはマイカーやバスがどんどん入ってきて、古くからの「聖地」が崩壊の危機にさらされている、と5日前に文化功労者に選ばれた我が国を代表する建築家のひとりである伊東豊雄は言う。
その大三島にも明日の大三島を夢見て汗を流している若い人々がいて、「伝統を護りつつ未来へ向かって創造的である」ような島創りをしているそうだ。いわば、新しい聖地とするべく、「護る=創る」という活動を。
その活動の一端が、銀座のLIXIL GALLERYで開かれた。

LIXIL GALLERY、展示室を3つ持つが、その第2室で。
「クリエイションの未来展」のひとつ。

「聖地・大三島を護る=創る」。
「護る」イーコル「創る」。あくまでも「護ることは創る」ことなんだ。

部屋へ入る。

伊東豊雄、まずこう述べる。

大三島を護るために創る、と伊東豊雄。

大三島の地図。
中央に大山祇神社がある。瀬戸内の島々には直島のベネッセの美術館ばかりじゃなく幾つもの美術館があるが、大三島にも幾つかの美術館がある。今治市伊東豊雄建築ミュージアムも。

護ることは創ること。護る人は創る人。

写真と素描、手書き文字、それに物や道具で構成された展示、とても心地よい。

ワインのボトルもある。その横の錆が出た手押し車、たしか「ネコ」って呼んでいたもの。土地をどうこうするには必需品だ。

ワインも造ってるんだ。

銘柄は「島紅」。
赤ばかりじゃなく、白も「島紅」のようだ。

左の男が伊東豊雄。

こういう人。
ここには記されていないが、建築分野の数々の賞を取っている。

こう記す。

こうも。

パンを作っている人もいる。

こちらから入口の方を振りかえる。

これは・・・

こういうもの。

古いものと新しいものばかりじゃなく、人も溶け合っている。
この若い女性は、ベイニン・チェンというお嬢さん。
1994年、ドイツで生まれ、2008年、北京へ戻り、香港大学建築学科を卒業後、スイス連邦工科大学へ留学、その後ハーバード大学GSD(デザイン大学院建築研究科)で学んでいるという人。何やら、ハーバード、東大、オックスフォードと渡り歩いた皇太子妃となる前の小和田雅子さんを思わせる人。
その人がどうして大三島にいるのか。
ハーバードの大学院建築研究科では、できのいい学生を選び、海外の施設へ派遣するそうだ。で、ベイニン・チェンは日本の伊東豊雄建築設計事務所へ来て、インターンシップをしているそうである。

これ、その色使い面白いが、何であったか思いだせない。

「おわりに」として、伊東豊雄、こう語る。

その思いをこう記している。

部屋を出る時、振りかえった。
心が平らになる展覧会であった。