「青瓷 釉の力」 伊藤秀人展。

LIXIL GALLERYの第3室ではいつも焼き物の展示が行われているが、この夏前には伊藤秀人展が催されていた。

LIXIL GALLERYの説明書きによれば、作家の伊藤秀人は1971年岐阜県多治見市生まれ、中国宋代の古陶磁に学び、古典の品格と現代の美を併せ持つ作品を目指すという作家。

「青瓷 釉の力」とある。
「釉」により、得も言えぬ貫入を生みだしている。

奥まった部屋へ入る。
木の台に大きな青瓷の鉢が3つ置かれている。
大きさは3点とも同じくらい。H122〜125mm × W550〜560mm。大きい。奥深い美を漂わせ、いずれもまさに鎮座している。

一番手前の「青瓷大鉢」。

その中心部。
貫入が複雑に入っている。作家の言う「釉の力」であろう。

こうして見ると「氷裂文」、規則性があるようにも思える。

次の「青瓷大鉢」。
日本で青瓷が本格的に作られるようになったのは江戸時代から、ということを初めて知った。南宋の官窯での作品を範として、と。

「氷裂文」の青瓷大鉢、宇宙のよう。ビッグバンだ。径60センチ弱とは、とても思えない。

吸いこまれそう。

その向こう、一番奥の「青瓷大鉢」。
影とのコラボ。それにしても美しい。

少しずつ上から。

やはり宇宙の天体だ。
太陽やお月さまと同じように、地平線の彼方から昇ってくる。

作家・伊藤秀人が「釉の力」により生みだした貫入・「氷裂文」・・・

オホーツク沿岸に漂着した流氷のよう。