アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝展(続き×2)。

昨夜遅く、官房長官・菅義偉が唐突に「安田純平さんが解放されたようだ」という発表、トルコの日本大使館員が本人確認を行い、今日夕刻、安田さん本人の映像が流された。

「無事を確認」とのNHKの速報映像。
「私は安田順平、日本のジャーナリストです。・・・」、と語る。思いのほか元気なように見える。
昨夜、日本政府に安田純平解放の報が入ったのはカタール政府から。カタールとトルコが大きな働きをしてくれたようだ。共に今、サウジアラビアとの関係がややこしくなっている国である。
知らなかったが、イギリスに拠点を置く「シリア人権監視団」というNGOがあるそうだ。その発表によると、日本政府は身代金を払わなかったが、カタールが300万ドルの身代金を払った、という。真偽は不明だが、日本、カタールに借りを作ったのかな。3億ぐらいの金、カタールに返せばいいのにと思うが、そう簡単ではない模様。
今日、安倍晋三はカタールの首長とトルコ大統領・エルドアンに電話で謝意を伝えたそうだ。
先ほど、カタールのアルジャジーラのサイトを見てみた。大きな柱が立っているのはカショギとトランプがらみであるが、日本のジャーナリスト・ジュンペイ・ヤスダが解放されたという柱も立っている。
官房長官・菅義偉が昨夜、カタール政府からの連絡を受け発表を行なったことも、今日、内閣総理大臣・安倍晋三がカタールとトルコに対して謝辞を述べたことも記されている。アラブの人々、アルジャジーラの報道によって菅義偉の名前(安倍晋三の名前は、ある程度知られているであろうが)も日本がお礼を述べたことも知ったであろう。
それにしても、このような問題は水面下の動きがどうこうということであろうが、四六時中あちこちへ行っている安倍晋三、トランプやプーチンといったビッグパーソンばかりじゃなくいろんなところで種を蒔いているようだ。やはり、外交の安倍は認めなきゃならないんじゃないか。


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サウジアラビア国立博物館やキング・サウード大学博物館の収蔵品である展示品、素晴らしいんだ。

≪男性像≫。ウラー、紀元前4世紀〜紀元前3世紀、砂岩。
力強い造形である。

大きい。左下の人物と比べると、その大きさが分かる。

≪男性頭部≫。タイマー、前4〜前2世紀。砂岩。

≪男性頭部≫。ウラー、前4〜前3世紀。砂岩。

≪男性頭部≫。ウラー、前4〜3世紀。砂岩。
生きているのじゃないか。

彩文鉢。タイマー、前1000年〜前400年頃。土製。

楣(まぐさ)。カルヤト・アルファーウ、前3〜後3世紀。石灰岩。
精緻な作品である。

≪饗宴≫。カルヤト・アルファーウ、1〜2世紀。フレスコ画。

このような映像も流れる。
実に為になる。

≪男性頭部≫。カルヤト・アルファーウ、前1〜後2世紀。青銅。

正面から。
凄い存在感。

前1〜後1世紀前後のものが並ぶ。

左は≪男性頭部≫、右は≪女性頭部≫。カルヤト・アルファーウ、前3〜後3世紀。アラバスター。

≪男性頭部≫。ナジュラン、1〜3世紀。アラバスター。

≪男性頭部≫。ナジュラーン、1世紀。青銅。
力強い。

上は≪葬送用マスク≫。テル・アッザーイル、1世紀。金。
下は≪ネックレス≫。上の≪マスク≫と同時期、同所。金、真珠、トルコ石、ルビー。

≪ライオン≫。ナジュラーン、2世紀。青銅。
面白い。
このような展示、パリのアラブ世界研究所で見て以来。


パリ5区、セーヌ左岸にアラブ世界研究所がある。
アラベスク模様のとてもユニークな外観を持つ。その中に美術館があり、アラブ世界の美術品や文化財が展示されている。
フランスには日本のお正月のようなしきたりはない。大晦日から元日にかけて酒を飲み、「ボナネ、ボナネ」って叫んで大騒ぎをしているが、年が明けた元日の朝は町中が静かに沈んでいる。お正月という意識はないが、この日だけはどこもかしこも休んでいる。美術館や博物館も。前夜のバカ騒ぎでお疲れってこともある。
その中、アラブ世界研究所は元日でも開いている。パリで何度か年を越したが、それを知ったある年、見に行った。アラブ世界の美術品や文化財を。洗練されたものが並んでいた。
この春先の表慶館でのサウジの至宝展、その時に次ぐものである。
アラブ世界、また、サウジ、権謀術数の世界ばかりではない。