バンコク散歩(1) 代参。

昨年は日タイ修好130周年とかで、タイ国政府観光庁によるフォトコンテストが行われ、「タイの文化」の部で高橋重夫の作品≪解脱への道≫が最優秀賞に選ばれた。

この作品である。
高橋重夫≪解脱への道≫。
タイ・チェンマイのワット・チェディ・ルアンで撮ったもの。
そのこと自体は昨年末の「流山子雑録」で記したので繰りかえさない。が、その折り高橋には、最優秀賞の賞状と共に副賞として、バンコク往復のペアチケットが与えられた。しかし、年に何度もタイへ行っている高橋、誰かにあげるって言うのでもらった。7、8年前チェンマイの高橋の別荘へ招かれたSと行くことにした。
が、私が春先肺炎になり入院したり、Sが踏ん切りがつかなかったりして、チケットの有効期限ぎりぎりの6月が迫ってきた。
行こうぜってことで、6月14日、成田からタイ航空へ乗った。
タイは仏教国、お寺の多い国である。チェンマイへ行った時もそうであったが、お寺へ行こう。
ま、高橋の代理参詣、代参だ。森の石松と同じである。

日本時間12時丁度に成田発、タイ時間16時すぎバンコクへ近づいた。
沖縄の上を飛び、台湾の東をかすめ、ベトナムのダナン上空からインドシナ半島へ入った。
成田ーバンコクは約5000キロ弱。また、日本とタイとの時差は2時間、6時間少し飛んだことになる。

16時、午後4時すぎ、バンコクへ近づいた。
窓からタイ航空の紫色の主翼、シルキー・タイの象徴が見える。


空港からホテルまでどうするか。電車で行くか、バスで行くか、タクシーで行くか。安い手段はあるが、高橋のアドバイスでエアポート・リムジンを使うことにした。
AOTという所で申しこみをする。
空港から私たちが泊まるホテルまでは30−35キロ圏らしい。いくつものランクがある。
BMWのスーパープレミアムなら2300バーツ(約8000円)、メルセデス・ベンツなら1700バーツ、トヨタ・カムリのセダンなら1200バーツ、イスズのMuーXなら1050バーツ(約3500円)である。
迷わず最安値、イスズのSuvにする。
帰りは迎えに行って20%割引とのことだったので、往復AOTのリムジンとする。
1時間足らずでホテルへ。予約時、場所もいいしいいホテルですよ、と聞いていたホテル、部屋は広いしアメニティも申し分はないのだが、さほどのものだとは思われない。第一、立地場所がまったく良くない。ごちゃごちゃとした下町である。

ホテルで暫らく休み、夕刻飯を食いに行った。ホテルを出るとこういう感じ。

この横道はこういう感じ。適当な店に入り夕飯を食う。
適当なものを頼み、それとビールと言う。と、ビールはない、との答え。
周りを見回す。さまざまな顔つきの人がいる。タイの人だろうなという人、インド人と思える人、日本人と似たような扁平な顔つきの人、中東のアラブの人かという鋭い面貌の人。
その内、思い至る。彼らはみな、イスラム教徒・ムスリムなんだな、と。だから、食堂にビールばかりかアルコール類が置いていないんだ、と。

この横丁では髪をスカーフで覆った女性を見た。
ムスリムの女性である。

こういう通りも。

ホテルに戻る。
正面の背の高い建物がROYAL BENJYA HOTEL。行き止まりの突き当たりにある。

ホテルの部屋から外を見る。
バンコクは久しぶり、12年ぶりである。ビルが多くなっている。
ずいぶん変わったな、という印象を持った。


広島、岡山、・・・、中国地方、四国地方の西日本豪雨災害の被害が大きくなっている。
今日9時現在で、死者175人、行方不明者87人と報じられている。
このような時に、のんびりノーテンキに「バンコク散歩」なんてことを記すのはどうかな、とここ数日考えてきた。
そのような中、数日前、天皇皇后両陛下は被災地の皆さまにお見舞いの言葉を述べられた。そして今日、安倍晋三は岡山の被災地を視察した。
さらに昨夜、タイ北部、チェンライの洞窟に閉じ込められていた13人のサッカー少年たちの内、最後の5人が救出された。
世界中が沸いた。
私も「バンコク散歩」を始めてもいいかな、と思う。
暫らく「バンコク散歩」続けます。