稀勢が担う日本。

稀勢の里が勝った瞬間、国技館はウワーという歓声に包まれた。テレビを通してその模様が日本全国に伝わった。
日本中のテレビで大相撲を見ている好角家、相撲ファン、ホッとひと息ついたのではなかろうか。よかったって。稀勢の里のファンであろうとなかろうと。
稀勢の里自身にそのような意識はないようだが、日本中の好角家、稀勢の里に日本という国を重ね合わせる。大相撲の世界では、稀勢の里・稀勢が日本を担う構図になっている。

初日、イケイケドンドン上り調子の貴景勝に敗れた稀勢の里、連敗はできない。もし連敗すれば、この先どうなる。心配だ。
そのような中、今日の相手はこれまた上り調子4人衆のひとり・北勝富士。容易くはない。

立会い、稀勢の里、一歩踏みこんでいる。
稀勢の里、やや腰高ではあるが、腰の構えも悪くない。

稀勢の里、北勝富士を寄り切る。
その瞬間、国技館内が歓声に包まれた。
心配で心配で仕方なかったが、稀勢の里が勝ってくれた。連敗をしなかった。よかった、と。
ところで、左の方に高須院長と西原理恵子のお二人が写っている。
日本相撲協会は度重なる不祥事に、初場所の天皇皇后両陛下の天覧相撲を辞退した。だからこの初場所、天皇皇后のお姿はないが、高須院長と西原理恵子のカップルは健在だ。

稀勢の里・稀勢もホッとした表情。

私は今場所、稀勢の里と共に白鵬に注目している。贔屓力士とは別にであるが。
白鵬、張り手もかちあげも禁止されている。ルール違反でもないのに、見苦しいから、と。白鵬、マイナスハンデを課せられているようなものじゃないか。私は、そう思う。しかし、白鵬はその規制の中で戦わなくてはならない。
だから、今日の逸ノ城戦、白鵬、頭をつけた。215キロの逸ノ城に勝つには、と。白鵬、逸ノ城を寄り切りで下した。

勝った後の白鵬、厳しい顔である。
白鵬は戦っている。土俵の外でも。
横審や貴乃花親方ばかりじゃなく、日本という国とも戦っている。
その日本を担わされているのが稀勢の里。
そうではあるが、日本国民、稀勢の里という力士を大甘に甘やかしているところ大いにある。稀勢以外、日本を担える力士がいないのであるから。

今日の星取。
稀勢以外の横綱、大関は連勝スタートを切った。
が、立会いに規制を受けている白鵬は、何番か取りこぼすであろう。ふたりの大関も連勝スタートをきった。
が、今場所私が気にかけているのは、玉鷲と御嶽海のふたりの関脇である。
このふたり、大暴れする予感がある。
稀勢が担う日本とは別に。