精神の<北>へ −かすかな共振をとらえてー。

極端に寒いであろう北極へなど行きたくはないが、雪が好き、氷が好き、何となく「北」が好きである。「北へ」志向がある。いや、「志向」なんて漢字ではなく、単なる「北へ」。身近な例では、小林旭の「北へ」。<俺は明日もまた北へ流れる>の「北」。
「精神の<北>へ」は、小林旭の「北へ」とはやや趣を異にする「北」らしい。北方の精神、北方的精神と言ったもののようである。
東北以北、かっての蝦夷の地、さらにはスカンジナビアなど北方の国々の精神を探ろうとしている。サブタイトルにある「かすかな共振をとらえて」、と。
アートプロジェクト「精神の<北>へ」、あの東日本大震災の後、東北地方の再生を期して2013年から福島県において始まったそうだ。毎年、福島県の西会津町で活動している模様。

都美術館へ行った人ならご存じであるが、企画展の会場を出る通路の左側の下、地階が見える。この夏前、ブリューゲルのバベルの塔展を見に行った帰り、下を見た。
ここにもバベルの塔があるのか、というものがある。

これである。
何か積み重ねてある。

このようなポスターが貼ってある。

精神の<北>へ、かすかな共振をとらえるため、北の樹林へ分け入っている。

地階へ降りる。
バベルの塔の新バージョンかと思った後ろの作品は、丸山常生のインスタレーション、≪連接体ー「そこに、たちあがり・・・」≫。
単純といえば単純、複雑と思えば複雑だ。

このプロジェクトを主導する丸山芳子の作品≪わかり合うということ≫。

わかり合えるか。

向こうにこのような作品が。

3本の流れ。

青、藍が流れる。

ここでは淡く。

こういう作品。
スカンジナビア、ノルウェイの作家、ヴィグディス・ハウグトゥロの≪インディゴ・ブルーの川≫。
静謐なインディゴ、透明な川。

何かが始まろうとしていることに気がついた。

向こうの方。

丸山常生とアマンダ・ビルバリによるパフォーマンス≪トランジション・シリーズ≫。

パフォーマンス、昔はハプニングと言った。

アマンダ・ビルバリ、スウェーデンから来て、日本へは1か月滞在、数々のパフォーマンスを残していったそうだ。

トランジション、変遷、変化、移り変わり、といった意味合い。
以下、その移ろいを。







丸山常生とアマンダ・ビルバリ、退場する。