精神の<北>へ −かすかな共振をとらえてー(続き)。

「精神の<北>へ」、5月末に福島県の西会津で行われ、6月中旬、東京都美術館へ流れてきた。
<東北と東京、日本と北欧という対比的な土地と環境を認識し、・・・・・、表現が生み出されます>、とこのプロジェクトを主導する丸山芳子は語る。
東北と東京、日本と北欧、どちらが「北」であるか。前者では東北であり、後者では北欧である。北、辺境であるが故に、その精神性は高まるって言えないか。

丸山常生とアマンダ・ビルバリがテープを張った向こうに不思議な作品がある。

墨一色の世界。

フィンランドのヘレナ・ユンティラのこれらの作品。

動物がいる。
北欧、フィンランドの森の物語であろうか。
中央の大きな作品は、≪Stop falling!≫。

人と動物と精霊の北欧、フィンランドの説話の世界に違いない。

≪Levitation≫。
空中に浮いている。北欧の世界でも、空中浮遊があるようだ。

≪Rain≫。
上にあるのは雨雲か。それとも河童の、あれ何て言ったっけ頭の上の皿、そうだ皿なのか。
いや、私は酔った頭ででたらめにキーボードを打っているのであるが、北欧世界の物語ってどこか「遠野物語」に似ている感じがするように思える。沁みるんだ。いずれも「北」だってこともあるし。

≪Summer Night≫。
確か北欧では、夏は白夜でお日さまが落ちないのじゃなかったか。夏の夜ってそのことか。
不思議なことに、日本の神話世界を思いだす。アマテラス・天照大神を。

≪Dragonflies≫。
大きな熊がいるが、よく見るとトンボが飛んでいる。大きなトンボ、「ドラゴンフライ」って言うらしい。

青っぽい写真。

こちらも。

千葉奈穂子の作品。
手漉き和紙にプリントされている。

会津の地。

このようなことも。

何と言おうか、こちらに問いかけてくるよな、千葉奈穂子の作品。

千葉奈穂子の作品を。



「精神の<北>へ」のパフォーマンスは終わる。

会場を出る。帰る。


身体がフラッとしたり、酔っぱらったりしたりと飛び飛びとなったことも何度もあったが、暫らく続けたこの夏の展覧会巡り、これにてお終いとする。