やさい展 2017。

今年のやさい展、9月に入ってから。

吾妻橋を渡り、ギャラリ− ア・ビアントへ。

今年のやさい展の会場、すっきりしている。

こちら側も。

河瀬和世の和紙作品がある。

≪かぼちゃ≫。
かぼちゃって丸いものもあれば角ばったものもある。茶色いの緑っぽいの赤っぽいの黄色いの、色もさまざま。このかぼちゃは、角ばった黒いかぼちゃ。
香水瓶のようなオシャレなかぼちゃ。

≪葉しょうが≫。
葉しょうがって根の部分を食べているのでそれが主かと思っていたが、食するまでは葉や茎がメーンなんだな。
それよりもこの作品、葉しょうがの根や茎や葉が貼られている地の紙に眼がいく。人為的な凹凸がついている。揉んだ和紙に貼りつけているよう。作家のヒネリ。

≪ラディッシュ≫。
二十日大根の赤、濃淡4、5段階に染め分けているよう。

≪かいわれ大根≫。
どういうことだったのか憶えていないのであるが、以前、河瀬和世から「こより」について聞いたことがある。「こより」の意味するもの、というようなことだったのかもしれない。が、憶えていない。
このかいわれ大根、その多くのこよりで作られている。
黒く染められた和紙の平面、白い和紙のこよりの立体、和紙を固め縫って作ったフレーム。
さまざまに変容した和紙が生み出したかいわれ大根。

陶板≪そばの花≫。
河瀬さんの陶板なんて初めて見る。美術家、表現する人であるから、何を作ろうと不思議ではないが。
渋い。

実は、ギャラリー ア・ビアントへ入った時から、これが気になっていた。
かぼちゃが見える。
やさい展の作品といえば作品であるが、もろ野菜じゃないか。
だから、気になる。

木の箱には「ちゅうぺいファーム」と書いてある。
右の方に名古屋コーチンの卵がひとつだけ残っている。あとはかぼちゃがひとつ、ずいきが幾らか残っている。が、多くのラベルがある。ギャラリーのオーナー・ノブコさん、こう言う。「作品、このように変化しました」、と。
つまり、「ボリスブラウンの卵¥200」、「にんじん2本¥100」、「ながなす¥100」、「バターナッツ¥400」とかラベンダースティックとかジャンボとうがらしとか、・・・とか、それらのものは皆買っていかれちゃったということである。で、ラベルのみが残っている。
これもアート。動的インスタレーションと言えようか。

こういうものが置いてある。
卵の説明チラシ。

オーナー・ノブコさんが小さなトウモロコシを手に取った。こういう小さなトウモロコシは鑑賞用のものだと思っていた。が、新鮮なうちは食べることもできるそうだ。

ギャラリー ア・ビアントの表に面したところ。
オーナー・ノブコさんが見ている台には・・・

このような「ちゅうぺいファーム」のチラシがある。
「ちゅうぺいファーム」、有機栽培の野菜を作ったり、自然体験や芸術を素材としたワークショップや・・・、その他世のため人のためといった活動をしている組織らしい。
「陸前高田市にみんなで図書館をつくろう」といったプロジェクトも行っている。
丁度2年前、大船渡から気仙沼へ向かうバスの窓から見た陸前高田の模様を思い出す。今日、あの大震災の日から、6年半。