四万六千日 浅草。

このところ四万六千日には浅草に行っている。観音さまへ参り、ほおずき市をひやかし、吾妻橋を渡ってギャラリー ア・ビアントへ。帰りは逆コースを辿り、白浪五人男が潜む伝法院通りの焼き鳥屋へ寄る。

今年の四万六千日。

観音さま、浅草寺本堂。

入る。中は人がいっぱい。少しずつ進み賽銭箱の前へ。
お賽銭を投げ入れ、孫娘と孫坊主のことをお願いする。

本堂と宝蔵門の間も人でいっぱい。

本堂を降りたすぐのところからほおずき市。

鯔背な売り子のお姐さん。

こういうところもあったが・・・

おしなべて人が少なく感じられた。

吾妻橋を渡る。

アサヒビールのすぐ後ろを左へ。スカイツリーが正面に見える。
そのすぐ左にギャラリー ア・ビアント。

ギャラリー ア・ビアント、うちわと風鈴展。

オーナーののぶこさんが奥から出てきて、「あらっ」って。

河瀬さんの風鈴が中にある。

これ。
今年の河瀬和世の風鈴、短冊が青く染められている。

涼しげ。

こちらの一角。

河瀬和世作のすだれ。
黒く塗られたすだれを通して月が見える。朧げに。
秋が忍び寄っているのか。

こちらの一角。

昨年、ア・ビアントのオーナーののぶこさんから、「河瀬さんのお嬢さん、考古学を専攻されていたのですが作家の道に進まれることに」と聞いた河瀬侑、今年も出品している。
その作品。ユニークなうちわ。

ウィンドウの作品。

「うちわ」のイメージを拡散しているように思える。

帰る時、外から撮った。
呉美樹≪離散定住者の微笑 diaspora smile≫。藍染和紙、竹、ペン。このようなことを記したラベルがある。大きなうちわが、彷徨えるディアスポラに安らぎをもたらす、というようなことを言っているのであろうか、作家の呉美樹さんは。

アサヒビールの建物の角を曲がり帰る。

吾妻橋を渡り、伝法院通りへ。
この後、焼き鳥屋の小さなテレビで大相撲7月場所を見た。
今年の四万六千日の浅草である。


今日、桐生祥秀が日本人初、100メートル10秒を切った。9秒98。凄い記録である。
追い風1.8メートルというギリギリ、絶妙な状況も幸いしたであろう。それにしても、凄い。
先般引退したウサイン・ボルトは別格として、10秒を切ったランナーは多くいる。しかし、そのほとんどはアフリカに出自を持つランナー。コーカソイド、モンゴロイドで10秒を切ったランナーは数えるほど。桐生祥秀は、その数少ないランナーとなった。
それにしても、10秒を切った初めての日本人が桐生祥秀でよかった、とつくづく思う。
桐生は追いこまれていた。
つい少し前までは、日本短距離界のエースは桐生祥秀であった。が、桐生の前に立ちはだかる選手が次々に出てきた。ここ1、2年の間に。先輩の山県亮汰ばかりじゃなく、ケンブリッジ飛鳥、多田修平、さらに若いサニブラウン・ハキムと。
実は私、日本人で10秒を切る魁は、桐生祥秀に担わせてやりたかった。多田修平かサニブラウンに先を越されるのじゃないか、と気をもんでいた。別に、多田修平やサニブラウンに何の恨みもないのだが。ともかく桐生に、と。
桐生、今日の会見で、「山県さんからラインで祝福の言葉をいただき嬉しかった」、と話している。
「オレが」、との思いも持っていたであろう山県亮太、「やられたか」との思いと共に、「桐生、よくやった」との思い強くあるに違いない。