恋人たち。

『ぐるりのこと。』も『ハッシュ!』も観ていない。「稀代の才能・橋口亮輔」と称される橋口亮輔、確かにその才、ハンパじゃない。
『恋人たち』、松竹ブロードキャスティングによる才能ある監督の「今、撮りたい」という題材を撮らせる「作家主義」がもたらした作。
不器用に生きる3組の恋人たちを描いている。
橋口亮輔、こう語る。
「飲みこめない想いを、飲みこみながら生きている人が、・・・・・」、と。
理不尽な現実にさまよう恋人たち、ささやかな光を見つける。

『恋人たち』、原作、脚本、監督、すべて原口亮輔。
主な役者は、リリー・フランキーと木野花を除いては知らない名ばかり。
恋人たち、<それでも人は、生きていく>。不条理に満ちたこの世界で。

通り魔に妻を殺された橋梁の点検をしている男・アツシ。
あとのふたりは・・・
夫と姑との退屈な日常に突然現れた男に揺れ動く平凡な主婦・瞳子。
ゲイで完璧主義のエリート弁護士・四ノ宮。
この3組の恋人たちの物語。

それにしても、見事なくらい美男美女が出てこない。
リアル。

ゲイの弁護士・四ノ宮、通り魔に妻を殺されたアツシの裁判にもかかわっている。
「稀代の才能・橋口亮輔」も、ゲイであることをカミングアウトしているそうだ。
日本においても、”LGBT”の動き、市民権を得つつある。

夫と姑との生活に倦んでいた主婦・瞳子(趣味は皇族の追っかけ)も、ひょんな男の出現に、このように胸躍らせるが、実は男は、皇族詐欺でヤク中。
瞳子、今を生きることに気づく。亭主の許に戻る。

アツシも幾つかの曲折を経て再生していく。高速道路の下の橋梁点検に。
アツシの勤める会社の社長、片腕がない。皇居を狙ったロケットを作っている時に暴発、片腕を失ったらしい。かっては、極左の活動家だったんだ。その隻腕の社長、妻を殺され、相手を殺すというアツシにこう言う。
「殺してはいけない。こうして話もできなくなる」、と。
惹句に言う、<絶望と再生の物語>。
まさにそう。


高安、今日の日馬富士戦に勝ち、直前3場所の合計勝ち星33勝を越える34勝となった。
これで来場所の大関昇進は確実となった。
稀勢の里の牛久に続き今度は土浦、茨城の人たち盛りあがっている。


宮里藍が今シーズン限りでの引退を表明した。
まだ31歳、驚いた。
宮里藍、アイちゃん、アメリカツアーで9勝した。岡本綾子とともに、日本女子プロの双璧と言えよう。
皆に愛された。私も好きだった。


WBA会長、先般の村田諒太がアッサン・エンダムに敗れた試合につき再戦を指示したそうだ。
私は、現在のジャッジングから見て、先日の世界王座決定戦は村田諒太が敗れて致し方なし、と思っている。村田諒太、ダウンは奪ったがあまりにも手数が少なかった。
しかし、WBAの会長はそうは思わず再戦を指示した。
村田諒太、作戦を練り直し、戦ってもらいたい。
そうすれば、確実に勝てる。