久保利陽子展。

昨年末「遊展」で会った久保利陽子さん、「来年春にここで個展を行います」と話していた。先月、案内ハガキをいただいた。

新橋から銀座コリドー街のギャラリーへ。
銀座アートホールの大きなガラスの出窓、明るく浮かんでいる。

雨の日、他用がありギャラリーへ着いたのは遅くなっていた。閉廊時間も迫り観覧者もみな帰ったころ。久保利さんのみがいた。

久保利陽子展、二部屋で催されている。

右側の展示室。

洗練された清澄な色彩を持つ久保利陽子の作品、整然と並ぶ。
昨年末の遊展の時にもお聞きしたが、これらの久保利陽子作品、ボードにジェッソを塗り重ねた上に描かれている。こちらの右側の部屋の作品は水彩で。

≪the passage of a breeze≫ 。
アルバラシン、スペイン。
ジェッソは40回ぐらい塗り重ねるそうだ。半端な数ではない。その上に水彩で描かれている。

≪a long memory≫.
タリン、エストニア。
久保利さん、年に一度ヨーロッパへのスケッチ旅行へ行っているそうだ。それでエストニアあたりにも。

これが面白かった。その色調、とてもおしゃれな感覚で。
(左)≪a gentle breeze≫、 (中)≪a sunny day≫、 (右)≪in spring≫。
いずれも、立川、東京。立川、通常は原色というイメージであるが、久保利陽子が描く立川はシックな立川。

よりシックな日本も。
≪long ago≫。
大内宿、福島。

左側の大きな展示室へ。
こちらの作品は、すべて油彩。もちろん、何十回もボードにジェッソを塗り重ねた下地に。

こちらの壁面も。

こちらの壁面も。

≪a siesta≫。
アルバラシン、スペイン。
「アルバラシン」、私は初め「アルバイシン」と勘違いをしていた。それで久保利さんと話をしていて、この地名がどうもかみ合わない。が、そのうちに解った。久保利さんのスケッチの場は「アルバラシン」であり、私が勘違いしていたのはグラナダの「アルバイシン」であることが。「アルバラシン」には行ったことがないが、どうも「アルバイシン」とは真逆の落ち着いた町らしい。

≪a siesta≫。
ペドラサ、スペイン。
ジェッソを塗り重ねることにより、新しい画板ともいえる素材が作り出されている。

≪a rosy village≫。
これもアルバラシン、スペイン。
こうしてみると、塗り重ねたジェッソの存在がよく分かる。作家・久保利陽子の抑えた油彩の色づかい、優美。

≪wind whispers≫。
これもアルバラシン、スペイン。
アルバラシン、鄙びていながら典雅な町なんだ、きっと。

銀座アートホールの出窓の模様、ガラスを通し表通りに映り込む。
時間ギリギリに行ったのに、久保利さんには時間を超えてお話しいただいた。ありがたかった。

ギャラリーを出た後、今一度まだ灯が点くギャラリー内を見る。


昨日、大腸の内視鏡検査へ行った。ポリープが見つかり4つ切り取った。生検へまわされるが、連休に入るので、結果は5月半ば。
1日だけだが、久しぶりの入院となった。それに加え、昨日午後3時半から今朝6時過ぎまで15時間近くに及ぶ点滴も久しぶりであった。絶食で点滴のみ。
退院はしたが、孫坊主のところへは行けなかった。孫坊主とのツーショットをいっぱい撮ってきたカミさんが言うには、孫坊主、お乳をいっぱい飲んでいたそうだ。それでいい。