孫坊主生まる。

今日3時すぎ、婿殿から電話があった。「1時間ほど前に生まれました」、と。「良かった」、と答える。娘も出る。途中で娘、涙声。オギャーオギャーという大きな泣き声が背後に聞こえる。デカい泣き声。
孫坊主が生まれた。
2人目の孫が生まれることは去年から分かっており、それが坊主であることもずいぶん前から聞いていた。
4時すぎ、幼稚園から戻ってきた孫娘を受けとり、双方のジジババ共々病院へ向かう。孫娘に「弟が生まれたよ。可愛がってあげてね」、と言うと孫娘は「うん」、と。
5時すぎ、病院へ行くと、孫坊主は半円形の大きなガラス張りの部屋の中で眠っていた。
大きなガラス張りの部屋の中には、生まれたばかりの赤ん坊が5人、距離をおいて入っていた。私たちばかりじゃなくそれぞれのジジババたちは、ガラス越しにそれぞれの孫を見つめている。

5時すぎ、この世に生を受けて3時間後の孫坊主。
お姉ちゃんの孫娘は、生まれた時小さかった。が、弟の孫坊主は、体重3400グラム、身長49.9センチと大きい。大きなガラス張りの部屋の中で眠っていた5人の赤ちゃんの中で、一番大きかった。それがどうしたって言うワケじゃないが、丸々としたほっぺの赤ちゃん、やはり嬉しい。
ところで、昨日記載の三友書園展、主宰の茂野柰園の出展作にこれがあった。

   白銀も黄金も
  玉も何せむに優れる
   寳子にしかめやも
    山上憶良の歌 柰園
茂野柰園の掛軸。
グッタイミング。
まさに、そう。
白銀も黄金も宝石も、それがどうした。子供に優るものはない、との憶良の歌。
孫は、その子の子。かけがえのないものである。これ以上のものはない。
明日、私は先般のドッグの結果の一環として大腸の内視鏡検査を受けることになっている。場合によっては、泊まっていってもらうので歯ブラシと下着を持ってきてください、と言われている。
どうなるかは分からない。が、今、焼酎のお湯割りでの祝杯、際限なく続けている。
孫娘が生まれた時もそうだったが、孫坊主が生まれた今回も、明日などどうでもいいんだ。
選手交代の時期になったんだ。楢山節考のおりん婆さんの心に触れる。