endless 山田正亮の絵画。

ひと月前のブログ中断前には、映画がらみのことを記していた。昨年からの積み残しもあり、ある程度の数が溜まってきたので。が、それにかかると長くなってしまう。先にここ暫らく2月、3月に行った美術館、展覧会関係を幾つか記すことにする。
今からいえば2か月ほど前、1月中旬に早見堯から大きな封書が届いた。

開けると、国立近代美術館の会報「現代の眼」の最新号が入っている。
<寒さが一段と厳しくなりましたが・・・>、で始まる手紙が挟まれている。
<目下近代美術館で開かれている「山田正亮展」の関連で「現代の眼」に書きました。私が日本で最も多く山田正亮について書いていると思います。「ART TRACE PRESS」よりも文字が大きいので、内容はともかく多少読みやすいかもしれません。お暇な時に・・・>、と記されている。
あのストライプの作品は見たような気はする。しかし、それが山田正亮という名とは結びついていない。つまり、私はよく知らない。

「現代の眼」621号所載の早見堯の記事冒頭。
山田正亮の作品、「繰り返し」と「均等分割」がそのキーワードのようである。

2月初め、竹橋の近代美術館へ観に行った。

ストライプだ。

endless、エンドレスの怪物がいたんだ。

山田正亮、50年以上にわたり5000点以上の作品を描いた。

1929年生まれの山田正亮、その歩みは大きく3つに分けられる。
1. 1948年〜1955年 Still Life
2. 1956年〜1995年 Work
3. 1997年〜      Color
”Still Life”は、文字通り静物であり、”Work”は、ストライプやグリッドの仕事であり、”Color”は、カラー、色。いずれも、やけに即物的といえば即物的。
が、工夫を凝らしている。深味を加えている。ベタな色彩が単色かと思いきや、その周縁には塗り重ねる前の色が残っている、という具合。すべてに亘り、単純さを打ち消すんだ、山田正亮は。
上下に開くと縦長になるチラシ、開く。年代ごとに切り取ってみよう。

”Still Life”。1950年代前期。

”Work B”。1950年代。

”Work B”。

”Work C”。1960年代。ストライプである。

”Work C”及び”Work D”。”Work D”は、1970年代。

”Work D”。

”Work E”、”Work F”、そして1997年以降の”Color”。

お終いの所に、ここだけは写真を撮っていただいてもいいですよ、というコーナーが用意されている。このところの企画展の定番である。

現実のアトリエとはほど遠いが、おそらく。

上の方にも。

数多くのストライプを描くためには、数多くのブラッシュが。

怪物がいたんだ。「繰り返し」と「均等分割」を突きつめる。
早見堯、「現代の眼」記載の中でこうも語っている。
<・・・「繰り返し」や「均等分割」は貨幣に似ている。貨幣はそれ自体ではなにも意味しないゼロの記号だ。ほかのなにかと交換されたときに初めて意味が生まれる。・・・>、と。
勉強をした。しかし、このようなこと、すぐに忘れてしまう。



数日前からサウジアラビアの国王が来日している。1000人を超えるお供を引き連れて。
羽田へは皇太子が出迎えていた。昨日は安倍晋三と会談し、安倍晋三主催の晩餐会もあった。今日は天皇主催の昼食会もあった。皇室にとり王家との付き合いは大事である。
が、夜遅くのニュースで孫正義がサウジ国王と会談したとのことが流れた。孫正義、先般はいち早くトランプと会って、「マサ」なんて呼ばれている。で、今度はサウジの国王だ。孫正義のソフトバンクが設立する10兆円のファンド、サウジへも投資するそうだ。
時代は変わった。
東芝がWH(ウェスチングハウス)がらみで巨額の損失を出し、東証への上場廃止へ追いこまれている。その損失額は7000億円である。その損失が東芝の息の根を止めようとしている。
それに引き比べ、孫正義が動かそうとしているのは10兆円。
時代は動いている。