テレビを通して初詣。

箱根駅伝復路、途中から見る。
往路、2位早稲田に33秒差まで詰められた青学、6区で引き離し、7区でまたも詰められるも、8区でまたも引き離している。ぶっちぎり状態に入っている。青学の3連覇は固い。

青学のアンカー・安藤、ゴールまであと1キロの日本橋。
この場面、たいへん面白い。画面をよく見ていただきたい。
左上の10区、1.0km、そして右上のここまでのタイム、11:01:01、11時間01分01秒。
すべての数字は、「1」と「0」のみである。たまたまである。が、お正月らしい数字だとは言えないか。
「これしきのこと、どこがっ」とか、「コンピュータも0と1だ。コンピュータは正月か」ってツッコミが入るかな。

青学のアンカー・安藤、ゴールする。

青学、ぶっちぎりの総合優勝で3連覇。
2位は9区で早稲田をかわした東洋、3位に早稲田が入る。3位までの順位、昨年と同じ。

最後のランナーがゴールする。
大手町のゴール付近、いっぱいの人である。私は往路も途中からしか見ていないが、おそらくスタート時もそうであろう。私は、昨年12月に入ってから亡くなった男のことを思いだしていた。あの「我が道をゆく男」のことを。
いつぞやもらった手紙の中に、こういうことが書かれていた。
<・・・・・。ここ15年ほどの1月2日は、朝一番の電車で桜田門(警視庁前)へ行きます。築地や晴海の方から朝が明ける時の皇居や官庁街のながめは格別なもので、・・・・・。それから日比谷公園へ行き、持参の鍋釜(登山用の煮炊き装置)であったかい朝飯を拵えて・・・・・。目的は箱根駅伝1区を見送ることにあります。ひいきは駒沢、農大の大根踊りも・・・・・>、というもの。
箱根駅伝のスタートを見るため、一番電車で都心へ行き、皇居や官庁街に陽が昇るのを眺め、日比谷公園で飯を炊き、それから箱根駅伝のスタート地点へ、いかにもSさんらしいな、と思いながら今年の箱根駅伝を見ていた。私は往復路とも前半じゃなく、後半を見ているのだが。
Sさんがひいきの駒沢は、9位に入り来年のシード権を獲得した。しかし、農大は出場していない。農大、一時は常連だったはずだが。大根踊りも、暫らく見ていないような気がする。

その後、NHKEテレの「知恵泉」に切り替えた。
「知恵泉」も途中から。伊達政宗が三代目家光に供した秘伝のおせちなんてものが出てきた。が、初詣が役立った。
初詣というものは、心のリセットであり再生の始まりだそうだ。生まれ変わることで、失敗してもやり直せるということ。これが初詣のいいところ、と言っていた。なるほど。
初詣、4、5年前には近所の神社へ行っていた。昨年は東博へ初詣に行った。が、この三が日、初詣になど行っていない。どこへも行っていない。
画面には、広重の江都名所の深川富岡八幡が出ている。深川の富岡八幡さまがわざわざテレビを通して私のところへ来てくださったようなものだ。テレビ画面に手を合わせた。テレビを通しての初詣である。

新宿のビル街を背にした神宮の杜も出てきた。
で、明治神宮へも初詣した。テレビを通して。
昼は熱燗、夜は焼酎のお湯割りを飲みながら、時折りうつらうつらしているので、罰当たりなことを書いてしまったのかもしれない。