さいたまトリエンナーレ(3) 才能は越境するのか。

さいトリ(先輩格のヨコトリに倣って、さいたまトリエンナーレも「さいトリ」と称している。ヨコトリと異なり、ひらがな+カタカナであるが)行の2度目は、先月下旬に行った。
岩槻へ。
岩槻駅を出てすぐ、こういう看板がある。

岩槻、人形の町。
少なくとも関東ではよく知られている。
この看板自体は、岩槻がまださいたま市に加わる前のもののようだ。

すぐ近くにこのような標識が。向井山朋子の作品。
向井山朋子、アムステルダム在住のピアニスト。何とかというピアノコンクールで優勝し、その後ヨーロッパを主に活動している、という。その方面に昏い私、You Tubeで幾つか見た。たしかに先端のピアニストである。
その向井山朋子、音楽の世界から美術の世界に出張ってきている。あちこちの美術展へ参加している。
才能は越境するのか、と考える。
私の結論は、才能は越境する。

向井山朋子≪HOME≫。
日本家屋を使ったインスタレーション。
コンセプト・演出・映像・写真、すべて向井山朋子。そして、パフォーマンスは、やはり日常はヨーロッパで活動しているダンサー・湯浅永麻。

K邸というその家に入る。薄暗い。

上へ。

右のほうへ。

仏壇のようだ。

畳の部屋。
布団が敷かれ、人が入っている。

長押の上。このような。

こちらも。

こちらには、このような写真が。

暫らく後。
ひとつ前の写真と見比べてください。
怖い。
左端の写真が変化している。何故に、如何に動いたのか。
怖い。

畳の間に敷かれた布団を見る。

布団に入っている人、動く。
布団の中の人は、世界を股にかけるダンサー・湯浅永麻であろう。私は、湯浅永麻が布団から出るまでは、辛抱できず立ち上がった。
頭の上の方にはミカンが転がっている。

こちらの部屋の数多くの写真を眺めながら。

多くの顔が写っている。
ところで、である。
世界で活動するピアニストが、このような美術の世界に越境してきている。それも、中央突破で堂々と。
才能は、やはり越境している。