小田原城(続き)。
歴史見聞館を出、常盤木門を通り本丸・天守閣へ。
途中、大きな案内板がある。
天正18年(1590)、北条氏は天下統一を推し進める豊臣秀吉に攻められていた。
背中に「NPO法人 小田原ガイド協会」と記された緑の服の人が説明している。
小田原合戦の状況、このようなもの。
左下に総大将・秀吉が陣をしいている。小田原の北条軍を、池田輝政、小早川隆景、細川忠興、宇喜多景家、山内一豊、黒田官兵衛、蒲生氏郷、・・・・・、・・・・、東の方には徳川家康が。海からは、加藤嘉明、長宗我部元親、・・・。
戦国大名・小田原北条氏を、秀吉以下のオールジャパンで取り囲んでいるようなものだ。いかに「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」の秀吉であれ、こりゃイジメだよ。戦国の世ではあるが。北条氏直に同情する。
結果は皆さまご存じのとおり。
秀吉による天下統一は成る。日本の戦国時代は終わる。秀吉の死後、豊臣から徳川への政権交代時、大規模な戦はあるが、これは戦国的戦ではなく、武力による政権争い、近代的戦であろう。
常盤木門が現れる。
小田原城本丸の門である。
このような。
いかにもの城門。
常盤木門の内部は資料館となっている。
常盤木門SAMURAI館である。
初代・北条早雲から5代・北条氏直までの小田原北条氏5代の殿。
甲冑と刀が展示されている。
甲冑が並ぶ。
ひとつふたつ取りあげる。
美しい丸胴具足。
その説明。
安土桃山であるからまさに戦国、小田原合戦の少し前のもの。
もうひとつ。
これは戦国の世が終わった後の江戸期のもの。
床に、”THE SPIRITS OF SAMURAI”、「サムライの心」と記してある。
その先、正面には・・・
存在感のあるこの胴丸。
それにしても、青っぽく、また緑っぽいその色調、美しい。
室町時代だ。
室町時代、京では足利将軍家の数寄者が文化の花を咲かせたが、末期となると戦国だ。
「花伐つ鎧」という映像が流れていた。
パンフにこうある。
<躍動感のあるビジュアルで・・・
武士の心が甲冑に宿っていく、という映像>、と。
私には、こう見えた。
殺されたサムライの死体から・・・
サクラの木が生え、花を咲かせる、と。
桜花を次々に、と。