樂土の森 現代美術展(9) 石ノ舞台・失われた窓枠vol.4。

樂土の森の建造物、木や土や鉄や石やさまざまな素材が使われている。が、これはずいぶん大きな石を細工したのではないか、と思われる建造物がある。
「石ノ舞台」である。

向こうの突き当たりに見える。

「石ノ舞台」。
大きな石が組み合わされているように見える。硬質な建造物。

2004年に造られている。
さまざまな音楽家やダンサー、パフォーマーがこの舞台に立ったのではなかろうか。

正面から見ると能舞台のよう。
橋懸や柱や屋根はないが、まさに能舞台。

舞台の床。

「石ノ舞台」の後ろには、このような作品がある。

長橋秀樹≪失われた窓枠vol.4≫。
2014年の作。
これを見ている時、声をかけられた。「これ、私の作品なんです」、と。作家の長橋さんであった。
長橋さんのプロフィールについては、(3)・「3人の作家による壁プロジェクト」の時、載せさせていただいたのでそちらをご覧いただきたいが、この作品について教えていただいた。
油彩なんだ。波型トタンに油絵具で描いたそうだ。左右613センチ、高さ226センチの作品。

トタン板は初めから錆びかかっていたそうだ。

その錆び色と油絵具が不思議な作品を形作っている。
そういえば、「石ノ舞台」の床も長橋さんの作品かな、と思い訊いた。いえ、「石ノ舞台」は樂土舎の人が造ったものです。あの表面は、ずいぶん叩いたものだと思います、と話されていた。固く大きな石を割ったり叩いたりして、能舞台を思わせる「石ノ舞台」を造ったのであろう。おそらく。
明日香村の「石舞台」は墳墓であるが、樂土の森の「石ノ舞台」は能舞台。

長橋さんの作品が、鏡板の松に思える。


今日のアメリカ、反トランプデモで揺れているそうだ。
ニューヨークのトランプタワーの前ばかりでなく、アメリカ中あちこちで。
今朝の朝刊、ざっと目を通した。朝毎読と日経、産経の全国紙5紙。
一面トップは、「米大統領にトランプ氏」。助詞が入っていたりそうでなかったりはするが、各紙同じ。これは当然だ。
一面トップ記事の横に、各紙、アメリカ総局長とか、ワシントン支局長とか、編集部長とかと言った人の署名記事が、各段15行程度、5、6段の記事が載っている。これも各紙、ほぼ同じ。そして、その記事内容も多少の違いはあるが、まあ似たようなもの。言ってみれば、トランプの反グローバリズム、ムスリムをはじめとする人種差別、その他もろもろ、アメリカのことのみといった内向きの姿勢を危惧している。大変なことが起こってしまった、と。例えば朝日なら、「内向きな超大国のリスク」、といったもの。各紙、ほぼ同じなんだ。1紙を除き。
今は、大きなことがない限り、新聞は1紙しか読んでいない。時折り2紙程度。が、仕事をしている頃は、毎日、朝毎読と日経、産経の一面下のコラムと中面の社説には目を通していた。お気に入りは日経と産経であった。朝毎読は、違う違うと言われるが、日本の全国紙、それはさしたるものではない。
当然のことながら、1紙を除きの1紙は産経であった。
アメリカで反トランプデモが過熱しているらしいのに、産経新聞東京本社編集局長・乾正人の署名記事は、「トランプ大統領で、いいじゃないか」。
<牧歌的な世界はもはや過去となった。・・・TPPも米国抜きで発効させる方策を検討すればいい。・・・米軍が撤退するとなれば、自衛隊の装備を大増強すればいい。・・・そのさいは自前の空母保有も選択肢となり、内需拡大も期待できる。・・・、・・・・、日本も米国に軍事的に過度に依存しない「偉大な国」を目指せばいいだけのことである>。
といった内容。これは、典型的な「自主防衛論」だなー。
「偉大な国」を目指せばの文言は、トランプの”GREAT AMERICA AGAIN”とそっくり同じ発想。
この論は、是としない。
しかし、さすが産経。みな横並びの中、とてもユニーク。面白い。政治的エンタメとして。なにかことが起こった時には、やはり産経は外せない。