樂土の森 現代美術展(1)。
木とか、草とか、石とか、土とかがある。鉄もある。そういう言わば自然にあるものと人間が融合しあい、新しい空間を生みだしている。
さまざまなスタッフやボランティアの人たちもいるようだ。樂土の森アートプロジェクト・現代美術展、新しいアート・コミュニティーと思える。
「ボーダー / ボーダレス」というメインテーマを掲げた「樂土舎」創設20周年の「樂土の森アートプロジェクト2016」、面白かった。
実は、「樂土舎」のこと、また、現代美術展のことは、河瀬和世さんから教えられた。「今年は開設20周年ということで、主催側の気合いがハンパではありません」、と河瀬さん。河瀬さんも出展している。
山下洋輔ソロピアノが組まれている日が一日だけある。樂土舎へ電話をすると、チケットはまだあった。
「樂土舎」代表のマツダさん、駅まで迎えに行きます、とのこと。お言葉に甘えることにした。
10月29日、先週土曜、新幹線の掛川で降り東海道線に乗り換えると超満員。その人たちすべて次の愛野で降りた。私も降りた。迎えに来てくれた樂土舎の女性の話では、愛野はジュビロ磐田の本拠地、サッカーのスタジアムがあるそうだ。
風車がまわる茶畑の間などを通り、車は樂土舎についた。
このような看板がある。
その反対側には、このような看板。
土の上には、このようなものも。
樂土の森に入る。
木の柱や鉄板のオブジェが目に入る。
特にタイトルはなかった。
「鉄と窓」。
木の柱の間から。
石室の中に、小さな灯りが。
緑。
作物なのか。
石の上に鉄。
その向こうには網が張ってある。
樂土舎のWebサイトによると、樂土舎、1996年にブルーベリーを植栽した、とある。ひょっとすると、この網の中でブルーベリーを作るのではなかろうか。
草、木、そして土。
前方上方、小さなお社が見える。
3年前の式年遷宮の年、伊勢神宮で見た「心御柱」を納めたキュートな「覆屋」を思わせる。
「2014年記録集」という図録を求めた。
巻頭、樂土舎代表・マツダ・イチロウ、こう記している。
「農」から「建築」、「身体表現」、「美術」、「音楽」、そして「緑」へと。
「樂土」である。
満州生まれの私、「樂土」と聞けば「王道楽土」を思う。
「王道楽土」、覇道によらず王道によって楽土を築く。「五族共和」と共に満州存立の基盤であった。しかし、満州は傀儡国家。満州の王道楽土は潰え去った。
しかし、「王道楽土」という概念は今も存立するであろう。
「樂土舎」が、それを意識しているか否かは知らない。が、意識しているにしろしていないにしろ、「王道楽土」を感じる。
このような道がある。
左側には、柱にトタン板。
その向こうには。
その窓には、何やらグニャグニャの紋様が。
振り返る。
[
黒い板。
その前に置かれた壺。
土。
植物。
木。
薪。
木の柱、天空を目指す。
天空へ。
青空のもと、天空へ。
小さな黄色い花、「ボーダー / ボーダレス」を体現している。
「樂土の森 現代美術展」、さまざまな作家が関わっている。
その模様、明日から暫らく追ってみる。