パリ16区 一夜限りのインスタレーション。

夏の終わりのころ、河瀬和世さんから手紙をいただいた。
中に、パリ市主催の”NUIT BLANCHE”に参加することになった、ということも記されている。<パリ市全体でのイベントで、私は16区の教会で一夜限りの映像とのコラボを行ないます>、とも。
9月下旬から10月上旬にかけパリへ行かれた。行かれる前、「楽しんできます」とのメールを頂戴したが、一夜限りのコラボではあるが10日ほど勉強してきた模様である。
半月ほど前、帰ってきたとのメールが来た。
<今回も盛り沢山のお勉強をしてまいりました。
16区は中心部から離れていますので、静かなNuit Blancheを過ごすことができま
した。
テーマは「いのりのこころ」
私の拙いフランス語よりも インスタレーションをご覧いただくだけで、ご理解
くださる ほんとうに嬉しかったです。
写真を添付いたします。>、と記されている。
和紙の作家・河瀬和世さんについては、今までにも紹介しているが、パリの教会での和紙、彼の地の人たちの心をギュッと掴んだに違いない。
添付されていた4点の写真、ご紹介したい。

フランス国旗のトリコロールに真っ白な和紙。
白い衣装の河瀬さん、ジャンヌ・ダルクを思わせる。

”NUIT BLANCHE”、「白い夜」また「眠れない夜」。

昨年はじめに催された、横浜三渓園の旧灯明寺本堂でのインスタレーションを思い出す。
今回も、その折りに組まれた映像作家の山内啓司さんとのコラボ。

白い和紙、千変万化に姿を変える。


三笠宮さまが亡くなられた。100歳。
オリエント学者としての印象を持っている。が、昭和21年、「天皇の生前退位」を容認すべきとの皇室典範私案を記されていたそうだ。先般、今上天皇が表明されたお気持ちと同様の。
日本敗戦翌年の昭和21年、年初には昭和天皇の人間宣言の詔書が発布され、やはり昭和天皇の地方巡幸が始まり、極東国際軍事裁判(東京裁判)が開廷している。昭和21年、そのような年だったんだ。三笠宮さま、自由な発想をお持ちであられた。