歌田眞介講演会。

60周年を迎えた日本表現派、記念の講演会を催した。
講師は藝大名誉教授・歌田眞介。演題は「手製画布を使用した画家 藤田嗣二・佐伯祐三・北川民治」。
あらかじめ山宣から案内状をもらっていた。楽しみにしていた。が、あまりにもマニアックなものであった。何しろ画布、つまりキャンバスやそこに塗るものの話なんだ。まあ、それでも私、この手のもの面白がる方であるから、まあ面白かった。それがどうした、と解らないところはいっぱいあったが。

東京都美術館から上野精養軒の一室へ場所を移す。
聴衆は6〜70人。ほとんどは日本表現派の同人や準同人、また一般で入選した人たちであろう、と思われる。それらの人たちもどうであったであろうか。楽しかったかな。

講師の歌田眞介先生。
こういう人なんだ・・・

アサビの早見堯からのメールに、
<歌田眞介さん、かなり昔、創形美術学校で専任をされていたころに、わたしも非常勤で行ってました。
絵画修復の第一人者です。>、とある。

藝大名誉教授であり、藝大美術館館長でもある歌田眞介先生、まず画布・キャンバスの話をする。

この日、10月13日、A43枚のレジュメをもらった。
それを複写した。
以下の写真、この文章を手掛かりにして思いを巡らしてください。








歌田眞介さん、藤田嗣二、佐伯祐三、北川民治のキャンバス作りについて話す。
このように。

まず藤田嗣治。
若いころの自画像だ。



上の紫外線蛍光写真。


これも。

「アッツ島玉砕」。

佐伯祐三だ。





1996年4月号の「芸術新潮」。
特集「佐伯祐三の真実」とした後に、「真贋騒動レポート」、とある。
佐伯祐三の作品の真贋騒動が起こっていたんだ。福井県武生市で。

当時の美術界のドン・河北倫明も巻き込んで。
歌田眞介、画布がどうかの科学的観点から迫っていたようだ。

北川民次。




北川民次の絵肌と南蛮屏風の絵肌に共通性を見出す。歌田眞介は。


この後は、「常滑の想い出」とされる作家・歌田眞介の作品。
歌田眞介、藝大名誉教授の学者ではあるが、絵描きでもある。


学者の絵、しゃちこばっているが、存在感は示している。
画布・キャンバス作りから始まる創作活動であるから。