野菜展 2016。

8月下旬、吾妻橋を渡りギャラリー・アビアントへ。

野菜展 2016。

ギャラリ−内、このパネルには河瀬さんの作品が3点。

河瀬さん、昨年の野菜展には、赤ピーマン、トウモロコシ、それに葱ぼうずの野菜3点を出していた。
今年は、この3点である。

河瀬和世≪ピーマン≫。
和紙に彩色。一部に、切った和紙が貼りつけられているようにも見える。

河瀬和世≪なす≫。
和紙に和紙が重ねられている。地の和紙からヘタの部分の和紙まで、その色調の変化する様、ナスの糠漬けのような深みがある。
それにしても、シュールななす。

河瀬和世≪茄子≫。
瓢逸な描線、何故だか知らず、江戸期の絵師・久隅守景の≪納涼図屏風≫を想った。
東博所蔵の久隅の作品は、「なす」ではなく、ゆったりとした時間を過ごす親子3人の頭の上の「ひょうたん」なんだが。

こちら側の壁面。

こちら側の壁面。

うしろ側も。
と、ギャラリー主の女性、こう言う。
「河瀬さんの作品は、その後ろにもう1点あります」、と。

外の暗さをバックにしたガラス窓に、何やら写っている。
これが、河瀬和世の作品なんだ。

外に出て、明るい内側を見る。なすがある。

河瀬和世≪長なす≫。
なすが好きである。シンプルな焼きなすが好きである。焼いたなすをショウガと醤油で食べる。このありふれた料理が好きである。この長なすも焼いて食いたい、と思う。

帰途、暗い外から明るいギャラリー内を見る。


アンジェイ・ワイダが死んだ。90歳。
「地下水道」、「灰とダイヤモンド」、1960年前後、半世紀以上前のポーランド映画。ATGで観たのでは。主人公・マチェクに扮したズビグニエフ・チブルスキーが銃弾を浴び息絶える。
社会主義、共産主義が崩壊することは、まだ現実のものではない時代であった。